Outline of Annual Research Achievements |
ペルオキシレドキシン(以下PRDX)は抗酸化作用を有する一酵素群であり、少なくとも6種類に及ぶ生体内発現が報告されている。特にPRDX4は唯一の分泌型として発現しており、血管内を含む細胞外領域において酸化ストレスからの組織傷害を防御する役割を持っているとされている。我々がPRDX familyの中で唯一分泌型のPRDX4に、特に着目し、ヒトPRDX4 (hPRDX4)のトランスジェニックマウス(Tg)を独自に作製し、2型糖尿病、動脈硬化、および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)や胆管閉塞性肝障害に対する、hPRDX4 の保護・防御的機構および抑制効果を有していることを明らかにした (Ding Y, Yamada S, et al., Antioxid Redox Signal, 2010. [IF = 8.21]; Guo X, Yamada S※, et al., Antioxid Redox Signal, 2012. [IF = 7.19]; Nabeshima A, Yamada S※, et al., Antioxid Redox Signal, 2013. [IF = 7.67]; Nawata A, Yamada S※, et al., PLoS One, 2016. [IF = 2.81]; & Jing Z, Yamada S※, et al., Int J Mol Sci, 2018. [IF = 3.68]. ※Corresponding author)。 特に、Tgマウスでは、局所及び全身性に発現したPRDX4が、肝臓だけでなく小腸組織においても、生体にとって有益に働いていることを明らかにした。これは、世界で初めての知見である。
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