2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of chemo-immunotherapy based on the characterization of tumor-infiltrating myeloid-derived suppressor cells
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16K08752
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
青木 一教 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (60270675)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 化学免疫療法 / 骨髄由来抑制細胞 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腫瘍内に浸潤する骨髄由来抑制細胞(MDSC)に着目して、その特徴や腫瘍組織内での機能を解明、MDSCに対する阻害剤を探索し新たな化学免疫療法の開発につなげることを目的とした。具体的な研究成果としては、 1)腫瘍部に浸潤するMDSCの分子細胞的特徴の理解: 腫瘍内に浸潤したMDSCの分子細胞的特徴を解析するために、Lewis Lung carcinomaマウス肺がん移植腫瘍モデルの脾臓と腫瘍部からMDSCを分取し、シングルセルレベルでRNA-Seqを行った。クラスタリング解析により、脾臓のMDSCと比較して腫瘍内には特定のMDSCの亜集団が存在することを見出し、その特徴的な遺伝子発現を明らかとした。 2)がん細胞・間質細胞がMDSCを腫瘍組織にホーミングする機序の解明: 肺がん由来の11種類のがん関連線維芽細胞(CAF)と同じ患者の正常線維芽細胞(NF)を用いて、MDSCに関連したサイトカインを網羅的に検討し、CAFでは、MDSCの増殖能を活性化するIL-6やHGF、遊走能を促進するCCL2やCXCL6の発現が亢進していることを明らかとした。さらに、CXCL6が高いCAFは、MDSCを共培養すると明らかにその遊走性を上昇させることを見出し、CAFが特定のMDSCサブセットを腫瘍内にホーミングさせる機序を明らかとした。 3)MDSCの阻害剤と抗がん剤と組み合わせた化学免疫療法の基礎開発:動物モデルにおいて、5-FUとLy6G抗体によるMDSC除去が相乗的な抗腫瘍免疫を誘導することを示した。国内製薬企業と連携して低分子化合物ライブラリーからMDSCの阻害剤を探索するために、標的分子となるMDSCの免疫抑制活性機序を検討し、阻害薬探索の準備を進めた。 このように当初の目的はほぼ達成することができた。今後は、MDSC阻害剤と化学免疫療法の併用療法の開発につなげていく。
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Research Products
(7 results)