2016 Fiscal Year Research-status Report
新規エンテロウイルス複製阻害剤の探索および標的宿主因子の同定
Project/Area Number |
16K08822
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
有田 峰太郎 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (70356244)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ポリオウイルス / エンテロウイルス / 抗ウイルス薬 / 複製 / PI4KB / OSBP |
Outline of Annual Research Achievements |
PI4KB阻害剤に耐性を示すポリオウイルス(PV)変異株の解析を行った。その結果、代表的な耐性変異であるG5318A変異(ウイルスタンパク3A-Ala70Thr変異を生じる)によって、ウイルスタンパク3ABのウイルスプロテアーゼによる切断効率を上げることが判明した。G5318A変異以外の耐性変異についても検討したところ、3ABタンパク質の切断効率とPI4KB阻害剤に対する耐性に正の相関があることが示された。これらの結果から、G5318A変異の直接の標的は3ABタンパクであり、その作用機序は3ABの切断効率を上昇させることであることが示唆された。PI4KB阻害剤の存在下でのPV感染細胞中のホスファチジルイノシトール-4-一リン酸(PI4P)の量を定量した結果、3Aタンパクの高発現もしくはG5318A変異株の感染細胞でも、ウイルス感染で過剰に産生されるPI4Pの量がPI4KB阻害剤により抑制されていることがわかった(未処理感染細胞の場合の36~52%)。このことから、3Aタンパクは、宿主のPI4KBを超活性化することなしに、ウイルスの複製複合体の場の形成を促進してPI4KB阻害剤に対する耐性を示すことが示唆された。現在、PI4KBのPV感染への役割についてさらに解析を進めている段階である。 MDL-860の抗PV活性を、耐性PV 変異株パネルを用いて解析した結果、G5318A変異により耐性が生じることが判明した。そのため、MDL-860のPI4KB活性およびOSBPの細胞内局在への影響を解析したが、興味深いことにMDL-860はin vitroのPI4KB活性を全く阻害せず、またOSBPの局在変化も誘導しないことが示された。このことから、MDL-860は、既知のPI4KB阻害剤もしくはOSBP阻害剤とは異なる新規の作用機序を示す抗ウイルス化合物であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した解析が、およそその通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが平成29年4月1日以降となったため、 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。 平成28年度分についてはほぼ使用済みである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり。
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Research Products
(6 results)