2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration for novel anti-enterovirus compounds and identification of target host factors
Project/Area Number |
16K08822
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
有田 峰太郎 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (70356244)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 抗ウイルス薬 / 複製 / ウイルス / エンテロウイルス / ポリオウイルス / ピコルナウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト遺伝子に対するCRISPR/CAS9ライブラリーを作製し、ゲノムワイドのヒトRD細胞ノックアウトライブラリーを作製した。このライブラリーにポリオウイルスを感染させて耐性を示した細胞を解析した結果、ポリオウイルス受容体遺伝子のみが明確な標的遺伝子として同定された。そのため、用いたライブラリーの標的配列の有効性を確認するために、既知の宿主因子であるPI4KBを標的としてCRISPR/CAS9でノックアウト細胞を作製して検討した結果、ポリオウイルス受容体遺伝子の場合とは対照的に、効果的にウイルス感染を抑制できる標的配列が限定されていることが判明した。さらに作製したPI4KBノックアウト細胞で増殖できるポリオウイルス変異株を分離することに成功した。このウイルス変異株の解析から、1) ウイルス複製のPI4KB/OSBP経路への依存性は培養細胞では必須ではないこと、2) PI4KB/OSBP経路から独立したウイルス複製は、ウイルス複製器官の発達を促進する変異(弱い耐性変異)とPI4KB経路を活性化しない変異(感受性変異)の2つに支えられていること、3) PI4KB/OSBP経路への依存性とインターフェロン応答への拮抗が同じ経路にあること、を見出した。これらは、ウイルスの複製の本質およびウイルスの進化に関する学術的な重要性を持つ知見であり、将来的には抗ウイルス治療におけるウイルスの耐性動態を制御出来る技術の開発につながることも期待される。 また、植物抽出液からのスクリーニング系として、疑似ウイルスを用いた系を検討したが、検討した濃度で毒性が強いものが多く、このスクリーニングでは有効ではなかった。そのため、ウイルスを用いた再度スクリーニングを行い、得られた複数の候補抽出液について現在解析を行っている段階である。
|
Research Products
(2 results)