2016 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチの自己抗体上の糖鎖改変による機能制御と新規治療戦略
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16K08829
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
大海 雄介 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (10584758)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / IgG / シアル酸 / 糖鎖 / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
RAにおけるシアル酸付加による自己抗体機能の変化を明らかにするため、RAの自己抗体産生ハイブリドーマを用いて人工的にシアル酸を付加したACC4抗体(ACPA) & M2139抗体(抗II型コラーゲン抗体)を作成し、これらシアル酸付加自己抗体をDBA1マウスに事前投与した結果、らシアル酸付加自己抗体投与したマウスではCIAを抑制することができた。また、シアル酸付加したirrelevant IgGではCIAを抑制することはできなった。これによりシアル酸付加自己抗体がRAの抑制に寄与している事を示唆された。これらの成果は2016年にNature communicationsに掲載された。 また、ACC4/M2139 Sia(+)に対するcontrol IgGを作成するため、ACC4の抗原認識部位の一部をCRISPR/Cas9システムによって欠失させて、自己抗原に反応しない全く同じIgGを産生するhybridomaを作製した。 さらに、Fc領域にシアル酸を付加した事による抗原親和性の変化につき検討するため、ACC4/M2139それぞれの抗原である環状シトルリン化ペプチド(CCP)とII型コラーゲン(Col II)に対する反応性を検討した結果、シアル酸の有無による抗原への親和性の変化は確認できなかった。 また、Fc領域へのシアル酸の付加によるIgG機能の変化を検討するため、単球系細胞の活性化を検討した。ACC4/M2139のそれぞれの抗原(CCP/Col II)をcoatし、そこにACC4及び M2139 Sia(+)/(-)を加え、洗浄後、DBA1マウス脾臓から回収したPBMCを反応させて、発現するサイトカイン等の炎症性因子の遺伝子発現をreal time RT-PCRで確認したところ、シアル酸付加抗体で炎症性サイトカインの発現が減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、RAにおけるIgG上のシアル酸の機能を解析し、さらには、シアル酸付加自己抗体がRAの抑制に寄与している事を明らかにしてきた。また、これらの成果はNature Communicationsに掲載された。これは大きな成果であり、現在まで研究はとても順調に進展している。一方、シアル酸付加によるFc機能の検討はまだ不明な点が多く、今後の課題になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記のように、またシアル酸付加抗体へのPBMCの反応性の詳細を明らかにするため、ELISAによるサイトカインの発現検討し、さらには、どの免疫細胞がシアル酸付加抗体による影響を受けるか検討を進め、自己抗体上のシアル酸付加によるRAの抑制の分子メカニズムを明らかにしていく。 また、現在、CRISPR/Cas9システムによって作成したACC4に対するcontrol IgG にST6Gal1とB4GalT1遺伝子を導入して、シアル酸を大量に付加したcontrol IgG Sia(+)を作成中である。これにより、正確なcontrol IgGを置くことにより自己抗体の抗原特異性に焦点化して検討することができる。 また、た、シアル酸付加IgGのin vivoでの影響を明らかにするため、活性型B細胞で限局的に発現するST6Gal1 とB4GalT1遺伝子の強制発現マウス(ST6Gal1LSL-Tg x B4GalT1LSL-Tg x AID-Creマウス)を作製予定である。
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Causes of Carryover |
RA抑制時における投与抗体の作用機序を検討するため、ACC4/M2139 Sia(+)を人工的にbiotinラベルしたが、biotinラベル化したACC4/M2139 Sia(+)の量が少なく、その他のラベルも含めて、条件を再検討している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の計画に沿って、必要な消耗品の購入やマウスの維持費等にあてる。また、必要な研究打ち合わせ、学会発表等の費用としても使用したい。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Expression analysis of 0-series gangliosides in human cancer cell lines with monoclonal antibodies generated using knockout mice of ganglioside synthase genes.2016
Author(s)
Robiul Hasan Bhuiyan, Yuji Kondo, Tokiaki Yamaguchi, Noriyo Tokuda, Yuki Ohkawa, Noboru Hashimoto, Yuhsuke Ohmi, Yoshio Yamauchi, Keiko Furukawa, Tetsuya Okajima, Koichi Furukawa.
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Journal Title
Glycobiology.
Volume: 26
Pages: 984-998
Peer Reviewed
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[Journal Article] Sialylation converts arthritogenic IgG into inhibitors of collagen-induced arthritis.2016
Author(s)
Yuhsuke Ohmi, Wataru Ise, Akira Harazono, Daisuke Takakura, Hidehiro Fukuyama, Yoshihiro Baba, Masashi Narazaki, Hirofumi Shoda, Nobunori Takahashi, Yuki Ohkawa, Keishi Fujio, Atsushi Kumanogoh, Kazuhiko Yamamoto, Nana Kawasaki, Tomohiro Kurosaki, Yoshimasa Takahashi, Koichi Furukawa et al.
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Journal Title
Nat Commun.
Volume: 7
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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