2018 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチの自己抗体上の糖鎖改変による機能制御と新規治療戦略
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16K08829
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
大海 雄介 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (10584758)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / IgG / シアル酸 / 糖鎖 / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgGはFc領域にN型糖鎖(Fc-N glycan)を有し、その末端シアル酸がIgGによる炎症作用を調節しているという報告がある。そこで、我々は関節リウマチ(RA)で産生される自己抗体IgGのシアル酸に注目し、自己抗体がどのようにRA病態に関与するのかを明らかにする。 シアル酸付加IgGのin vivoでの影響を明らかにするため、活性型B細胞で限局的に発現するST6Gal1 とB4GalT1遺伝子の強制発現マウス(ST6Gal1LSL-Tg x B4GalT1LSL-Tg x AID-Creマウス)を作製したが、産生されたIgGの糖鎖構造に変化は認められなかった。そこで、新たにコンストラクトを作成し、ST6Gal1LSL-TgとB4GalT1LSL-Tgマウスを作成した。 また、RA自己抗体上のシアル酸付加による抗炎症効果が、普遍的なメカニズムかを検討するため、その他の自己免疫疾患(腎疾患)の自己抗体においても同様に、人為的なシアル酸転移酵素遺伝子の操作を行い、シアル酸付加自己抗体を作成したのち、ラットに投与した結果、シアル酸付加自己抗体においても炎症反応が認められた。そこで、投与動物と同種族のIgGにシアル酸付加を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
活性型B細胞で限局的に発現するST6Gal1 とB4GalT1遺伝子の強制発現マウス(ST6Gal1LSL-Tg x B4GalT1LSL-Tg x AID-Creマウス)を作製したが、産生されたIgGの糖鎖構造に変化は認められなかった。よって、コンストラクトの構造から再度検討し、現在新規Tgマウスを作製するために時間を要した。 RA自己抗体上のシアル酸付加による抗炎症効果が、普遍的なメカニズムかを検討するため、グッドパスチャー症候群のモデル動物からクローニングした自己抗体産生細胞においても同様に、マウスST6Gal1とマウスB4Gal1遺伝子を導入し、シアル酸付加自己抗体を作成したのち、ラットに投与した結果、シアル酸付加自己抗体においても腎臓での炎症反応が認められた。そこで、投与動物と同種族のIgGにシアル酸付加を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、活性型B細胞で限局的に発現するST6Gal1 とB4GalT1遺伝子の強制発現マウスを作製するため、ST6Gal1LSL-TgとB4GalT1LSL-Tgマウスを用いて交配を行なっていく。 また腎炎モデルにおける自己免疫疾患での有効性も新たに作成したシアル酸付加IgGを用いて検証していく。
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Causes of Carryover |
活性型B細胞で限局的に発現するST6Gal1 とB4GalT1遺伝子の強制発現マウスを作製したが、機能的なマウスを得ることはできなかった。そのため、マウスを用いた実験が中止となり、そのための予算が必要なくなった。そこで、その予算を用いて、新たなコンストラクトを用いたマウス作製費用にあてる。また、必要な研究打ち合わせ、学会発表等の費用としても使用したい。
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[Journal Article] Genome-wide CRISPR screens for Shiga toxins and Ricin reveal Golgi proteins critical for glycosylation.2018
Author(s)
Songhai Tian, Khaja Muneeruddin, Mei Yuk Choi, Liang Tao, Robiul H. Bhuiyan, Yuhsuke Ohmi, Keiko Furukawa, Koichi Furukawa, Sebastian Boland, Scott A. Shaffer, Rosalyn M. Adams, Min Dong
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Journal Title
PLoS Biol.
Volume: 16(11)
Pages: e2006951
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] BSA 固定化糖鎖を用いたレセプター糖鎖高密度化によるインフルエンザウイルス検出感度向上の試み2019
Author(s)
平松 宏明, 河原 敏男, 大海 雄介, 鈴木 康夫, 中北 愼一, 渡邊 洋平, 大野 恭秀, 前橋 兼三, 小野 尭生, 金井 康, 松本 和彦
Organizer
日本薬学会第139年会
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[Presentation] Effective Binding of Sugar Chains to Influenza Viruses on the Surface by the Bovine Serum Albumin Localization2018
Author(s)
Toshio Kawahara, Hiroaki Hiramatsu, Yuhsuke Ohmi, Yasuo Suzuki, Shin-ichi Nakakita, Yohei Watanabe, Yasuhide Ohno, Kenzo Maehashi, Takao Ono, Yasushi Kanai, Kazuhiko Matsumoto6
Organizer
ACSIN-14&ICSPM26
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