2017 Fiscal Year Research-status Report
出生コホート調査における参加継続および倫理的課題に関する意識調査
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16K08862
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 緑 千葉大学, 予防医学センター, 助教 (90597121)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 疫学研究 / 出生コホート / 研究倫理 / モチベーション / 遺伝リテラシー / ヘルスリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
出生コホート調査の遂行と倫理的課題に関して、エコチル調査千葉ユニットセンター参加者の協力意識および調査への認識を把握するため、昨年度と同様に意識調査と分析を行った。 1)全参加者に対する意識調査 2回目アンケートとして、エコチル調査の全参加者5291名にアンケートを郵送し(平成29年9月)、平成29年12月末までに回収した1583件のデータ入力を行った。そのうち、アンケート結果の研究利用に承諾が得られた1483件について分析を行った。調査に参加し続ける理由として、「将来、他の親や子どもたちのためになる」「医学の進歩に貢献できる」を挙げる人がそれぞれ87%、85%と多かった。84%の人は謝礼が励みになると感じていた。協力の負担については「質問票の回答が面倒」「仕事が忙しい」という人はそれぞれ34%、30%であった。データの目的外利用や個人情報漏洩に不安を抱く人はともに22%であった。2年続けてアンケートに回答した1463件について、昨年の回答と比較したところ、調査参加のモチベーションに関しては、ほとんどの項目で上昇がみられ、特にプレゼントをもらえることが励みになるという人が11%多くなっていた。「質問票の回答が面倒」「仕事が忙しい」という人はそれぞれ4%、7%増加していた。データの目的外利用や個人情報漏洩に不安を抱く人の割合に変化は見られなかった。このアンケート結果の一部を調査参加者向けニュースレターに同封して報告した(平成30年2月)。このほか、ヘルスリテラシーと食事調査の検査結果返却に対する反応について情報を収集しており、今後、参加意識との関連について分析を行う予定である。 2)詳細調査参加者に対する意識調査 平成29年度から、4歳児の詳細調査参加者に対してアンケートを実施している(平成30年12月まで実施予定)。アンケート回収後に解析を行う予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画どおり、全体調査参加者、詳細調査参加者へのアンケートを実施し、データ入力、一部データの分析、成果発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、次の研究を進める。 1)全参加者意識調査は、1回目、2回目の結果をふまえ、またエコチル調査全体の実施計画を見据えつつ、3回目のアンケート調査を9月に実施し、集計、分析を行う。 2)詳細調査参加者意識調査は、4歳時アンケート結果の分析を平成30年1月から行う。翌年実施する分析を行う。(平成30年12月まで)。 3)参加継続あるいは協力中止等の背景要因について分析を行うため、詳細調査への不参加、全体調査・詳細調査への協力中止の理由について情報収集を継続する。 これらのデータを統合し、参加者意識の実態および背景要因との関連についての分析を進める。
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Causes of Carryover |
(理由) 28年度に統計解析ソフトを計上していたが、アンケート自由回答の内容の質的分析方法について情報収集を行い、再検討しているところである。 (使用計画) 分析に適した解析ソフトの購入あるいはデータ解析のための人件費に充てる計画である。
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Research Products
(2 results)