2016 Fiscal Year Research-status Report
パニック症に対する個人認知行動療法のランダム化比較試験による費用効果分析
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16K08863
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 陽一 千葉大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (30757828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / パニック症 / QALYs / 医療経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はパニック症患者に対し、認知の再構成、安全行動の介入、行動実験、注意のバイアスと注意のシフト・トレーニング、破局的イメージにつながる初期記憶の書き直しを含めた総合的なマニュアルに基づく個人認知行動療法(CBT)を実施し、その治療効果を検証することを目的とするとともに、QALYs (質調整生存年)換算によって費用対効果(cost effectiveness)を有するかを明らかにすることを目的としている。 本研究は27年度までに我々が実施した対照群を設置しないsingle armによるopen trialを受けて行うランダム化比較試験(RCT)であり、医療経済面からみたCBTの費用対効果を測るものである。効果が認められればわが国の保健・医療サービスの向上に寄与することが期待され、ひいては医療費の効率化にも寄与することが期待される。 初年度はランダム化比較試験実施に向けたデザインを作成した。具体的には27年度までに実施したsingle arm 研究による効果量の結果から必要な2群の患者サンプル数の算出、対象とする患者(薬物耐性がある難治性の患者など)の設定、あるいは一定期間内に多くの患者数を集める必要があるため有効なリクルート方法(web、チラシ、広告)を検討し、作成を行った。 当初の計画では患者と治療者の対面式での認知行動療法の実施を予定していたが、現在、遠隔での認知行動療法(テレビ電話などを使用)を検討し、準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はランダム化比較試験実施に向けたデザインの作成とともにし、有効なリクルート方法(web、チラシ、広告)を検討し、作成を行った。 当初の計画では面接室で、患者と治療者の対面式での認知行動療法の実施を予定していたが、現在、医療経済面での効果がより見込める遠隔での認知行動療法(テレビ電話などを使用)を検討し、準備を進めている。具体的には、遠隔での認知行動療法実施のための施行方法やマニュアル作成を行っており、パイロット研究として開始している不安症(強迫性障害、社交不安症、パニック症)に対する遠隔による認知行動療法の研究を行う中で、マニュアルなども精緻化する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、ランダム化比較試験を実施する。研究の基本デザインは堅持しつつ、遠隔での認知行動療法を進め、臨床効果および医療経済効果を検討していく。 遠隔での認知行動療法の効果が認められれば、パニック症の患者が治療を受けるにあたり障害となる要素(来院するための電車、バス等での移動など)が軽減されるために、治療を受けやすい環境の整備という点でも意義があるものと考えられる。
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Causes of Carryover |
当初計画では、治療者と患者の対面式の認知行動療法による効果研究であったが、遠隔での認知行動療法を行う必要性が生じたため、そのマニュアル作成などで患者のリクルートが未実施であり、研究補助者の人件費が発生しなかった。予定していた学会での情報収集活動が都合により中止になったこと、などにより、次年度に使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には上記対象患者のリクルートの行う予定であり、研究に参加する患者への謝金の増額が必要であり、リクルート開始に伴うデータ整理のための人件費、その他国際学会での情報交換などを研究分担者、協力者にも使用するため旅費の増額に使用する。
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Remarks |
(1)と(2)は同一のもので厚生労働省と日本不安症学会のホームページで公開されている
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Research Products
(4 results)