2019 Fiscal Year Annual Research Report
National survey and research to enhance undergraduate education in geriatrics to cope with the aging society
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16K08865
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
金子 英司 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 准教授 (10302853)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 老年医学教育 / 多職種連携 / 地域包括ケア / 反転授業 / シミュレーション教育 / アンケート調査 / 認知症 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国医科大学・医学部の教育担当者に対して、老年医学を教育する部門の有無と多職種連携・地域包括ケアなどのコアカリ項目の教育をどの程度やっているかについてのアンケート調査を日本老年医学会とともに実施した。82大学中52大学がアンケートに回答し、老年医学を専門に教育する部門のある大学は21%を占めていた。高齢者総合機能評価(CGA)、老年症候群、薬物療法、在宅医療における多職種連携などの項目で老年科のある大学で到達度スコアが高く、回復期・慢性期病床、緩和ケア病棟における診療、往診・訪問診療などの項目は老年科のない大学で到達度スコアが高かった。 本学で開発したシミュレーション教材であるSIMTOOLを用いて改訂長谷川式認知機能検査を自習するソフトを開発し、また医療面接実習のビデオ教材を作成して、これらを見て反転授業を行った学生と通常の授業を行った学生での学習到達度を調べたところ、有意差はないものの反転授業群で成績が良かった。これを受けて、医学部4年生の医療面接実習で反転授業を取り入れて、その教育効果を前年度の4年生と比較したところ、反転授業群で実習時の成績が良かった。3か月後に実施した共用試験のCBTの結果では有意差がなく、臨床実習前OSCEの医療面接では成績が良かったことから、医療面接においてはビデオを用いた反転授業の有用性が高いと考えられた。 老年医学を教育する担当者のいない大学に対して老年医学の教員派遣の希望を調査した。派遣希望の大学は6校あり、その中から山梨大学に講師を派遣した。医学科4、5年生26名が講義に参加し、全ての学生が出張講義はとても有効または有効と回答し、62%の学生が出張講義を増やして欲しいと回答した。その他の大学については計画中に新型コロナ感染が拡大したため、講師派遣は中止となったが、出張講義は有用であると考えられた。
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