2016 Fiscal Year Research-status Report
遠隔シミュレーション教育の効果検証~チームダイナミクスと指導者育成の観点から~
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16K08866
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
太田 邦雄 金沢大学, 医学系, 准教授 (00303280)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医学教育 / 小児救急 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
シミュレーターの遠隔操作による教育を方法論として確立し、現場に操作者がいる場合と同等の満足感があることを、我々は報告して来た。この教育方法が技術の習得、保持、患者の転帰に有効であるか客観的指標等を用いて証明することが、本研究の目的である。今年度は特にシミュレーターの遠隔操作による遠隔教育の効果を指導者育成の観点から検討した。 遠隔教育の導入によって他施設の指導者の教育方法を眼前にし、指導者同士の協働作業、学び、シナリオの共有が果たされ指導者育成の効果が期待できる。したがって自施設に指導者がいなくとも遠隔教育システムを用いて、on siteの指導者を遠隔参加者が評価する(あるいは逆に遠隔指導者をon site参加者が評価する)ことによって指導者育成が可能になる。参加者のチームワーク・コミュニケーションの改善と指導者の評価についてDASH法を用いて検討した。 仮説:医学生に対する小児急性期医療のシミュレーション教育におけるデブリーフィング技術の改善は、標準指導群と遠隔指導群では差がない。研究参加者:シミュレーション教育指導者を目指す医師方法:小児科臨床実習中の医学部5年生に2回のシナリオセッションを含む、60分間のシミュレーショントレーニングを行った。終了後にデブリーフィングのデブリーフィングを行う。連続するセッションで、デブリーフィングをDASH(Debriefing Assessment for Simulation in Healthcare)にて評価(評価者用、指導者用評価フォームを用いる)した。標準指導群と遠隔指導群に差はなく、同様の効果があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小児救急医療のなかでスキルと同等以上に重要視されているチームワーク・コミュニケーションについて、チームによるシミュレーション教育が一定の効果があることが示された。また遠隔教育の導入によって他施設の指導者の教育方法を眼前にし、指導者同士の協働作業、学び、シナリオの共有が果たされ指導者育成の効果が期待できることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果をふまえ、さらに以下の項目について検討する 医療安全の観点から以下の方法のとおりシナリオを作成し、シミュレーションを実施する(In situ Simulation)。 1) 病院で集積されたインシデントならびにアクシデントを収集・分析し、対小児患者における報告の多い事案についてのシナリオを作成する。 2) 金沢大学病院研修医、病棟看護師、小児科専門医にこれを用いた同様の教育を定期的に行う。 3) その後のインシデント・アクシデント発症を過去の報告数を比較して有効性を検証する
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Causes of Carryover |
国内及び国際学会での公表を予定していたが新年度に一部ずれ込んだこと。協力研究者の謝金が発生しなかったことが主因。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会での公表に充当する。
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Research Products
(3 results)