2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Effectiveness of Remote Facilitation in Simulation-Based Pediatric Resuscitation Training
Project/Area Number |
16K08866
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
太田 邦雄 金沢大学, 医学系, 准教授 (00303280)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | シミュレーション教育 / 小児救急 / 遠隔 / コミュニケーション / 指導者養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児救急医療分野の卒前卒後教育においては、重症症例の分散と倫理的側面から経験値を上げるための教育は困難である。従ってシミュレーション教育が重要な役割を担うと考えられるが、その効果の科学的検証は十分ではない。本研究は、シミュレータの遠隔操作による小児救急医学シミュレーション教育システムを用いて、同システムがチームワーク・コミュニケーションの技術の向上に有効であること、かつ遠隔教育が指導者の育成に有用であることを明らかにしようとするものである。 臨床能力の重要な要素として、コミュニケーションの技術、すなわちチームの一員としていかに行動するか、ということがあげられる。医療安全の面からもチーム医療は非常に重要であり、チームワークのトレーニングがチームの行動を改善し、エラーを減らし、スタッフの態度を改善することが報告されている。我々は、このセッション参加者のチームワーク、コミュニケーションの改善を、Behavioral Assessment Tool (BAT)を用いて測定した。BATは危機管理の視点から作成されており、リーダーシップの確立、環境を熟知すること、自らの限界を知ることなどの10項目が、各々0点から4点の5段階で評価される(最高スコア40点)。本セッション前後のBATスコア(平均±SD)は1回目7.9±4.1から2回目13.0±6.1(p=0.004)と有意に上昇した。すなわち本セッションが、医学生のチームワーク、コミュニケーションを有意に改善する事が示された。 また医学教育における本システムの実現性は、本学医学部生を対象に行った1連のシリーズで実証された。実地の指導者が立ち会わなくとも同等の高い満足度が得られることが実証された。さらにその場に立ち会うことで容易に熟練した指導者のファシリテーションを学ぶことが可能となり、指導者育成に効果があることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)