2016 Fiscal Year Research-status Report
重篤な身体疾患に罹患した高齢者における、病状悪化に備えた事前意思決定に関する研究
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16K08878
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
奥山 徹 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80349349)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 意思決定支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病状悪化時に備えた事前意思決定に関する高齢者の意向について明らかにするとともに、我が国の高齢者の意向や我が国の医療システムに即した事前意思決定支援プログラムを開発することを目的とした。平成28年度の研究業績は以下の通りである。 1.事前意思決定に関する質問票開発を行った:当初はオーストラリアNewcastle大学公衆衛生学教室との共同作業で行う予定であったが、研究関心領域に差異があったため、研究者のみで開発した。質問内容としては、現在受けている抗がん剤治療の目的の理解、現在の健康状態に関する理解、今後の療養について主治医と話し合ったことがある内容、今後の治療方針についてどの程度積極的に関わりたいか、「病状が進んだ時にどのように過ごすか」と言うことについて、事前に話し合いたいか、病状が進んだ時にどのような療養を希望するか、などを含むものとした。2.多施設共同研究として実施することとした:当院のみでは十分な症例集積ができない可能性を考え、連携施設を探索し、研究組織を作成した。3.研究計画を確定し、倫理審査委員会での承認を得た。研究デザインは縦断的観察研究であり、第一選択化学療法が無効とされた肺がん患者を対象とし、無効と判断された時点、及びその3ヵ月後に評価を行うこととした。4.倫理審査委員会での承認後、上記質問票の表面的妥当性を検討するため、5名の患者においてパイロット研究を実施した。その結果、質問票の文面や内容などについて、大きな問題がないことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度中にパイロット調査を行うところまでが当初の予定であったため、ほぼ順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年5月より実施調査を開始する。
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Causes of Carryover |
研究の実地調査を平成28年度より開始する予定で予算編成を行ったが、開始が平成29年度にずれ込んだため、繰越を要した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の実地調査のための、人件費・謝品に使用する予定である。
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