2017 Fiscal Year Research-status Report
H.pylori抗体検査とPG検査による胃癌リスク層別化検診の費用対効果分析
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16K08889
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
齋藤 翔太 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 助教 (60739465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 宏平 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (10175771)
石川 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70586940)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胃癌 / 検診 / ヘリコバクター・ピロリ菌 / 費用対効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年に改訂された胃がん検診ガイドラインでは従来の胃X線検査に加えて胃内視鏡検査が積極的な胃がん検診方法として推奨された。また、最近の疫学研究によってヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無と血清ペプシノゲン検査による胃粘膜萎縮度から将来の胃がんのリスクを予測できることが明らかになった。それらを組み合わせて胃がん検診対象者を4つのリスク層に分割して胃内視鏡検査の頻度を変えるABC検診が全国各地で導入され始めている。本研究ではABC検診の延命効果と医療費抑制の両面から費用対効果の推定を行った。胃がん検診対象集団へ毎年胃内視鏡検査を行う検診方法に対して胃がんリスク層別化を考慮したABC検診の費用対効果を推定するため、マルコフモデルを構築した。マルコフモデルに投入するデータは文献レビューと新潟大学医歯学総合病院のカルテ情報から入手した。医療費支払い者の立場から費用は胃がん関連の直接医療費のみを考慮して生涯の期待生存年と期待費用を推定した。コホートシミュレーションの結果、40歳集団に対する胃内視鏡検診の期待費用と期待生存年が276,561円、25.50年であるのに対し、ABC検診は128,970円、25.55年であった。リスク層の構成比が異なる50歳集団、60歳集団の全てにおいてもABC 検診は生存年を延長しつつ、胃がん関連医療費を削減した。検診対象集団に対してリスク層別化検診を導入することによって従来と同じ程度の効果を維持しつつ、長期的な検診費用と胃がん関連医療費を半減できる可能性があることが示唆された。日本の胃がんの発症率は諸外国と比較して非常に高く、発症予防と検診による早期発見に力を注ぐべき消化器疾患の1つとされている。ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療による胃がんの発症予防とリスクの高い対象者へ集中的に精度の高いサーベイランスを行う検診方法の有用性が医療経済的な観点から示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では当初の研究計画の通り、進捗状況について国内・国外の学会発表で成果発表を行い、論文化した研究成果は医療経済学の権威ある海外誌に1編掲載された。研究開始時から当該年度を通して大きな問題も発生しておらず、順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度までの研究では一部海外データの援用によってABC検診の費用対効果の推定を行った。ABC検診に関する疫学研究が進行中であり、今後は本邦のエビデンスレベルの高いデータやOQL調査の結果を加味したABC検診の費用対効果の定量化が必要であると考えられる。また、より患者個人の属性を反映したディスクリートイベントシミュレーションの手法を応用し、より緻密な解析を実施して引き続き研究成果を国内及び海外に向けて発信していきたい。
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Causes of Carryover |
用途して計画していた研究備品の予算について安価に購入できたこと、及び国際学会の旅費が想定の額を下回ったことにより余剰額が発生した。次年度が最終年度になるため、当該年度の未使用予算は英文校正や国際学会の旅費等の研究成果の公表に関する予算として使用していく予定である。
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Research Products
(3 results)