2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cost-effectiveness of combined serum anti-Helicobacter pylori IgG antibody and serum pepsinogen levels for gastric cancer-risk screening
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16K08889
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
齋藤 翔太 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 助教 (60739465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 宏平 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (10175771)
石川 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70586940)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医療経済 / マルコフモデル / 費用対効果 / 胃がん / 検診 / 個別化医療 / H.pylori / ペプシノゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的はABC検診の有用性を長期的な患者の予後と医療経済効果の両面からの費用対効果を推定することである。本年度は前年度までの研究結果を整理し、妥当性の検証及び課題の洗い出しを行った。シミュレーションモデルの構築において、リスク層ごとの検診間隔が臨床的な観点から非常に重要であることが胃がんの疫学・治療に精通する複数の専門家とのディスカッションを通して指摘された。費用対効果の視点からリスク層ごとの最も良い検診間隔の組み合わせを提案できるようなシミュレーションが必要であると考えられた。効果はQALYでなく、検診の偽陰性、偽陽性の件数や、検診間隔を空けたことによる本来早期発見できたはずの進行がんの人数といった指標を用いた新たな費用対効果分析の発想のもとで検診の経済性を評価する研究が望まれる。胃癌の場合は特に腫瘍の性質が不均一で増殖速度も一定でないことから臨床に即した推定は困難であるが、癌種による癌細胞の分裂周期の研究をもとにした仮定をおいたうえで分析を発展させていくことえを検討したい。また、本研究課題ではABC検診は検診未実施と比較して費用対効果が優れていることが示唆されたが、今後は現在主流となっている胃X線検診との医療経済性の比較のための検証が必要であると考えられた。ヘリコバクター・ピロリ菌感染は胃がんのリスク因子であることは広く認知されている事実であり、これに着目した検診を取り入れることが医療政策の面で急務であることのコンセンサスを得ることができた。
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