2017 Fiscal Year Research-status Report
医療経済評価に用いる効用値尺度におけるレスポンスシフトおよび最小重要差の解明
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16K08890
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
泉 良太 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (80436980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能登 真一 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (00339954)
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60362472)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 効用値尺度 / 医療経済学 / 医療・福祉 / リハビリテーション / 費用対効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,回復期リハビリテーション病棟において,効用値尺度の変化および臨床における意味のある差(以下,最小重要差)を示すことができた. 対象は61名(女性25名),年齢64.8±13.4歳,初期評価から再評価までは33.5±9.3日,病型は脳梗塞37名,脳出血19名,くも膜下出血5名であり,健康関連QOL尺度であるSF-36を基準として群分けを実施し,改善群30名,非改善群31名であった. 初期評価と再評価の比較(統計学的分析)について,改善群では,健康関連QOL尺度であるSF-36は,体の痛みを除いて有意に向上し,効用値尺度であるEQ-5D-5Lも0.59から0.68へ有意に向上した.非改善群では,SF-36は身体機能および心の健康のみ有意に向上し,EQ-5D-5Lは0.58から0.66へ有意に向上した.また,各項目の差の平均値は,身体機能(PF) 9.7,日常役割機能(身体)(RP) 4.7,社会生活機能(SF) 0.9,全体的健康感(GH) 3.5,活力(VT) 5.5,日常役割機能(精神)(RE) 8.9,心の健康(MH) 5.6,EQ-5D-5L 0.09であった. 最小重要差は,SF-36はPF 11.3,RP 7.8,SF 4.3,GH 5.8,VT 9.4,RE 12.8,MH 7,EQ-5D-5Lは0.09であり,差の平均値が最小重要差を超えている項目は,EQ-5D-5Lのみであった. 上記結果より,リハビリテーション実施後には,健康関連QOLは有意に向上している項目が多いことが分かった.しかし,最小重要差を超えた項目はEQ-5D-5Lのみであり,リハビリテーション前後での比較のみの検討では不十分なことが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定である,最小重要差分析を実施できた.今年度にレスポンスシフト分析を実施する.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の推進方策で示したとおり,9月に国内学会,10月に国際学会で発表予定である.データは引き続き収集し,年度末までには論文作成および研究協力病院への研究結果報告を実施する.
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Causes of Carryover |
・研究分担者との会議がメールおよび電話会議で済んだため. ・研究協力謝礼の支払いが平成30年度になったため. ・国際学会発表が平成30年度になったため. ・使用計画としては,研究協力謝礼と国際学会発表の旅費に使用する.
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Research Products
(1 results)