2018 Fiscal Year Research-status Report
医療経済評価に用いる効用値尺度におけるレスポンスシフトおよび最小重要差の解明
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16K08890
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
泉 良太 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (80436980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能登 真一 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00339954)
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60362472)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 効用値尺度 / 医療経済学 / 医療・福祉 / リハビリテーション / 費用対効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,回復期リハビリテーション病棟における,効用値尺度の有用さについて証明することができた. 対象は94名(女性38名),年齢65.0±13.1歳,初期評価から再評価までは34.1±9.2日であり,病型は脳梗塞51名,脳出血36名,くも膜下出血7名であった. 初期評価と再評価の比較では,SF-36は(初期評価/再評価),身体機能(14.2/25.4),日常役割機能・身体(20.4/27.8),体の痛み(45.9/46.0),社会生活機能(44.0/46.7),全体的健康感(47.4/50.7),活力(31.9/37.9),日常役割機能・精神(28.1/36.6),心の健康(44.0/49.1)であり,体の痛みを除いて有意に向上した(p<0.01).EQ-5D-5Lは(0.56/0.67),FIM合計得点は(93.2点/109.5点)であり有意に向上した(p<0.01). 反応性については,FIM合計(1.23),SF-36の身体機能(0.78)で大きい効果量,SF-36の心の健康(0.52),EQ-5D-5L(0.60)で中等度の効果量を示した. 本研究では,ADLのFIM合計得点,HRQOLの身体機能,心の健康,EQ-5D-5Lで反応性が高い値を示した.そのため,回復期病棟での作業療法のアウトカムとして,ADL評価に加えて,HRQOL評価を実施することで,より効果を示せることが示唆された.しかし,HRQOLが向上しているが,国民標準値の50と比較すると低値な項目が多く,特に身体機能,日常役割機能・身体,日常役割機能・精神については40未満であり,それらの項目へ積極的にアプローチしていく必要がある.上記より,リハビリテーションのアウトカムとしてHRQOL尺度を用いることは有用であり,HRQOL評価が,クライエント支援向上の一助になると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集に時間を費やしたため,現在,全対象者数で,レスポンスシフトを含めた分析を実施中のため.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度前半でデータ解析を終了し,後半で学会発表および論文投稿を実施する. また,2018年度末までのデータを用いて,9月に学会発表予定である(採択済み).
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Causes of Carryover |
データ収集が遅れたため,2019年度にデータ解析,協力施設への結果報告および学会発表・論文作成を実施するため.
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Research Products
(3 results)