2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of DNA-based diagnosis and elucidation of molecular mechanisms for response and loss of response to infliximab at short or long period of treatment against Crohn's disease
Project/Area Number |
16K08912
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
塚元 和弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (30253305)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クローン病 / インフリキシマブ / 薬剤応答性遺伝子 / 治療感受性の機序解明 / 遺伝子診断 / ゲノム創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
クローン病(CD)の治療薬であるインフリキシマブ(IFX)の短期(10週後)と長期(1年後)の治療効果に患者間で個人差が認められる。この機序解明と治療効果を予測できるバイオマーカーを同定するために,2つのシグナル経路(Dectin-1とAktシグナル系)から3個の候補遺伝子を選出した。IFX治療を受けたCD患者127名を,治療開始10週後あるいは1年後の治療効果の有無で治療感受性群と治療抵抗性群に分け,候補遺伝子内の計10個の一塩基多型を解析した。そして,両群間で一塩基多型の出現頻度の有意差検定を行った。 IFX治療開始1年後において,CLEC7Aのrs11053623で,T/CあるいはC/C genotypeを持つ患者は約3倍の治療感受性を示した(P = 0.028)。同遺伝子多型をバイオマーカーに用いた遺伝子診断では,感度63.9%,特異度63.2%,陽性的中率89.9%,陰性的中率25.5%であった。 本研究により,CLEC7AはIFXの薬剤応答性遺伝子であることが初めて示唆された。免疫賦活作用のあるbeta-glucanの受容体Dectin-1 (CLEC7A)のrs11053623で,T/CあるいはC/C genotypeを持つ患者では,Dectin-1シグナル経路が抑制されているため,途中からクロストークしてNF-kBへのシグナル伝達が減弱して治療感受性を示すと考えられる。また,同遺伝子多型を遺伝子診断に応用した場合,陽性的中率が高いことから,CLEC7Aのrs11053623で同genotypeを持つ患者は約9割の確率でIFXの治療効果が1年以上続くことが示唆された。今後,Dectin-1 (CLEC7A)の機能解析を進め,IFXの治療感受性や治療抵抗性を示す病態を分子レベルで解明し,CDに対する新規分子標的治療薬の開発に繋げたい。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] JAK/STAT3 and NF-kB signaling pathways regulate cancer stem-cell properties in anaplastic thyroid cancer cells2019
Author(s)
Shiraiwa K, Matsuse M, Nakazawa Y, Ogi T, Suzuki K, Saenko V, Xu S, Umezawa K, Yamashita S, Tsukamoto K, Mitsutake N
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Journal Title
Thyroid
Volume: 29
Pages: 674-682
DOI
Peer Reviewed
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