2016 Fiscal Year Research-status Report
便微生物移植とアミノレブリン酸に着目した薬剤性消化管粘膜障害保護の治療戦略の確立
Project/Area Number |
16K08921
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
高岡 宗徳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50548568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 5‐アミノレブリン酸 / プロバイオティクス / 薬剤性消化管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌叢の正常化を目的に炎症性腸疾患で臨床応用が始まった便微生物移植(Fecal microbiota transplantation)による消化管粘膜保護効果と、種々の正常細胞に対し保護活性作用のある5‐アミノレブリン酸(5-ALA)を組み合わせ、抗がん化学療法による重大な有害事象の1つである薬剤性消化管粘膜障害に対する新規支持療法の確立を目指すことが本研究の目的である。本研究の平成28年度の研究計画では、以下の2点を実施検討する計画としていた。 A.抗悪性腫瘍薬による腸管細菌叢の変化及び腸管粘膜障害との関連性の検討 B.健常マウスの糞便から精製した腸内細菌叢移植による薬剤性腸管粘膜障害保護の検討 いずれの研究計画も、ネズミを用いた動物実験が主体である。当該研究施設の新築移転やそれに伴う動物実験の制限などもあり、動物実験を当該年度に遂行することが困難であった為、次年度以降に予定していた「C. 5-ALA投与による薬剤性腸管粘膜障害保護効果とその細胞生物学的機序の検討」も含め、まずは培養細胞レベルでの抗悪性腫瘍薬による腸管上皮細胞障害および、5-ALA投与による腸管上皮細胞障害保護効果について検討した。イリノテカン(CPT-11)を用いた培養細胞への殺細胞効果は大腸癌細胞およびラット腸管上皮細胞においてその差を認めず、また、5-ALA共存下でのイリノテカンによる腸管上皮細胞の殺細胞効果に対する保護効果は培養条件下では認められなかった。これは、5-ALAの腸管上皮細胞保護効果が否定されるというよりも、細胞培養環境という特殊条件が結果に影響を与えている可能性があり、動物実験の環境が整い次第、計画通り動物実験での検討が必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度中に当該研究施設の新築移転やそれに伴う動物実験の制限などもあり、動物実験を当該年度に遂行することが困難であった為。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験については、施設環境が整い次第、開始可能である。 培養条件下でも可能な限り生態環境に近いモデルを使用して実験を行えるべく、3-D培養であるオルガノイドを作成し、それを利用して腸管粘膜障害を評価検討に供する。
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Causes of Carryover |
動物実験を当該年度に遂行することが困難であった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.動物実験に対し、マウスの購入・維持費に使用予定 2.5-ALAの生体内活性を得るために光照射が必要な場合に備え、申請備品(レーザー光照射装置)の購入
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