2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K08927
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
清宮 正徳 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 准教授 (20554265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 一之 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (90344994)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 異常反応 / M蛋白 / 異常ヘモグロビン / HbA1c |
Outline of Annual Research Achievements |
生化学検査自動分析装置における各種検査試薬の反応過程を精査した結果、第1試薬と検体の混合時に濁りが認められる症例を検出した。混濁事例が最も多かった試薬はビリルビン測定試薬であり、混濁が認められた20症例の検体の性状を蛋白質電気泳動法で確認した結果、16症例でモノクローナル蛋白の存在が認められた。これら16症例中9症例については、本現象の発見によりはじめてモノクローナル血症が判明した。また検体の希釈直線性(ビリルビン値)が成立しない検体が4症例認められ、希釈再検により正確なビリルビン濃度の報告につながった。したがって反応異常の検出機能は、異常蛋白の発見および正確な検査の報告に効果的であった。 日常検査法におけるHbA1c検査(NH)の波形の解析から、これまで40症例の異常ヘモグロビン症例が検出された。これらの症例について、血清中グリコアルブミン値(GA)、血漿中ブドウ糖濃度(Gl)、アフィニティー法によるHbA1c予測値(AfH)、免疫学的方法によるHbA1c値(AbH)、酵素法によるHbA1c値(EH)を測定した。また日常検査1180症例におけるNH、GA、Glの関係を調査した。異常ヘモグロビン症例ではGAによる糖代謝管理が推奨されているが、異常ヘモグロビン症例におけるGAと各マーカーの相関係数は、NH、Gl、AfH、AbH、EH、の順に、0.34、0.43、0.40、0.19、0.01 であり、Gl、AfH で比較的高い相関性を示した。一般検体におけるGAに対するNH、Gl の相関係数はそれぞれ0.75、0.52であった。一方異常ヘモグロビン症例のAfHに対するAbh、EHとの関係ではそれぞれ0.90、0.96と高い相関係数を示した。以上より、異常ヘモグロビン症例では他の糖代謝マーカーでの管理が必要だが、AfH、AbH、EHの活用が有用と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究は進行したが、論文化が遅れているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでのデータを再吟味し、学会発表および論文発表を行う。
|
Causes of Carryover |
論文投稿における、情報収集のための学会出張費、英文校正費用など
|