2017 Fiscal Year Research-status Report
インフラマソーム機能変調疾患における汎用新規バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
16K08934
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
駒井 浩一郎 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (40304117)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | インフラマソーム / PYCARD/ASC / スプライスバリアント / 回帰性リウマチ / IL-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画書課題2:PYCARD(ASC)スプライスバリアントの機能解析 平成28年度に構築したPYCARD(ASC)野生型およびスプライスバリアントのTHP-1細胞内発現系を用いてPMAおよび尿酸塩やフラジェリンによる刺激を行い、PYCARD野生型/エクソン2欠損型発現によるIL-1産生量を比較した結果、尿酸塩刺激によって活性型IL-1β産生量がエクソン2欠損型で野生型に比して有意に高いことを見出した。またスプライスバリアント特異的配列をペプチド抗原とした抗体を作成し、抗原認識性能評価を実施中である。 計画書課題3:PYCARD(ASC)スプライシング異常機構の解明 平成28年度に見出した、バリアント発現が認められたPR家族発症患者のDNAエクソン1上流に見出した一塩基変異を含む正常型/変異型DNA断片を pSPL3ベクターに挿入したミニジーンを構築し、HEK293細胞およびTHP-1細胞に導入しスプライシング再現実験を実施した。その結果、一塩基変異を含むDNAを細胞内導入した場合、野生型配列DNAに比してエクソン2欠損型mRNAが優位にスプライスされることを見出した。本変異は日本人集団においても一定の頻度で存在することが公知になっており、本変異と関連して産生されるPYCARD/ASCスプライスバリアントがPR患者のみならず、やはりインフラマソームが信号介在して生じると考えられるメタボリックシンドロームやアルツハイマー病などの疾患感受性にも関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の採用は年度途中の平成28年10月であり、6ヶ月遅く研究を開始したが、概ね予定課題を遂行できた 。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書課題1:PYCARD(ASC)スプライスバリアントの回帰性リウマチ(PR)患者における発現解析 PR患者検体におけるPYCARD(ASC)スプライスバリアントの定量PCR法による発現量解析を行う。 計画書課題2:PYCARD(ASC)スプライスバリアントの機能解析 リコンビナントPYCARD(ASC)発現THP-1細胞を用いた機能アッセイをβアミロイドなど他の刺激物質を用いて継続して行う。またバリアント特異的ペプチドを抗原として作成した抗体の性能評価を継続して行い、バリアント特異的検出系の開発を行う。 計画書課題3:PYCARD(ASC)スプライシング異常機構の解明 スプライシングに影響を及ぼすと考えられるceramideなどの要因を加えたスプライシング再現実験を行なう。
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Causes of Carryover |
購入物品の一部で値引きが行われたため、予定通りの支出額とならず、次年度使用額が生じた。次年度使用額は消耗品購入に充当予定。
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