2017 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子導入細胞を用いた新たな血小板抗体検査法の開発
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16K08938
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
松橋 美佳 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00759384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 仁 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80261973)
池田 敏之 東京大学, 医学部附属病院, その他 (80322759)
正本 庸介 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30706974)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | HPA / 遺伝子導入 / xMAPテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト血小板特異抗原(human platelet antigen, HPA)に対する同種抗体(抗HPA抗体)は、新生児血小板減少症(neonatal alloimmune thrombocytopenia, NAIT)や血小板輸血時の副作用である血小板輸血不応(platelet transfusion refractoriness, PTR)など重篤な臨床像を呈する病態の原因となることが報告されている。本研究では、レトロウイルス発現系を用いて、白血病細胞株にHPA抗原を強制発現することにより安定なHPA遺伝子導入細胞を作製し、xMAP(Multi-Analyte Profiling)テクノロジーと組み合わせて簡便・迅速かつ感度・特異度に優れた新たな抗HPA抗体検出法を確立することを目的としている。 平成29年度は、昨年度に作製したHPA遺伝子導入ベクターをパッケージング細胞(PLAT-A)に導入し、レトルウィルスを作製した。親細胞株(HEK-293およびK562)にこの遺伝子導入用組換えウィルスを感染させ、組換えウィルス感染細胞とした。この感染細胞からピューロマイシンを用いた限界希釈法によりHPA発現の高いクローンを選択した。目的遺伝子の発現をフローサイトメトリー法で確認した後、既存の抗HPA抗体検出法であるMAIPA(monoclonal antibody-specific immobilization of platelet antigen)法によりその有用性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HPA遺伝子導入細胞を作製し、既存の抗HPA抗体検出法によりその有用性の確認が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
有用性の確認されたHPA遺伝子導入細胞からHPA抗原を抽出し、 xMAPテクノロジー(蛍光マイクロビーズ法)を組み合わせて新たな抗HPA抗体検出法を構築する。蛍光マイクロビーズ法による抗HPA抗体検出方法の条件設定(血清量、二次抗体量、反応時間、反応温度など)について検討し、条件の最適化後、MAIPA法、MPHA(mixed passive hemagglutination)法、フローサイトメトリー法など既存の方法と抗体検出感度および特異度を比較検討し、その有用性を確認する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)消耗品を割引価格で購入することができ、また、H28年度に購入した試薬の残余を使用することなどにより当初の見込み額より、安く済ますことができた。 (使用計画)平成30年度に予定しているxMAPテクノロジーに用いる蛍光ビーズなどの高額消耗品の購入にあて適切に支出する予定である。
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Research Products
(3 results)