2018 Fiscal Year Annual Research Report
Efficient generation of high-affinity mutated antibodies based on a single virion direct fluorescence detection of antibody-displaying phage
Project/Area Number |
16K08954
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大山 浩之 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (80572966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 いずみ 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (20299085)
小林 典裕 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (90205477)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗体工学 / タンパク質工学 / ファージ提示 / scFv |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫測定法は病態検査に不可欠な手段だが、その性能は用いる抗体の親和力や特異性の制約を受ける。動物を免疫する従来法では目的の抗原結合能を持つ抗体分子種は必ずしも得られず、遺伝子操作による機能改変に期待がかかる。ランダム変異を導入した多様な抗体のライブラリーをファージ粒子上に提示し、標的抗原に結合するクローンを単離する「ファージ提示法」は、2018年ノーベル化学賞を受賞した分子進化の手法であるが、膨大な非特異的ファージから希少な目的ファージの選別に多大の労力と時間を要する。 本研究ではこの状況の抜本的な改善方法として、蛍光標識した抗ファージ抗体を駆使して、標的抗原を捕捉し、ファージを直接検出することを試みた。既に共焦点レーザー顕微鏡下でファージ粒子の観察条件を決定し、抗体フラグメント(scFv)を提示したファージと標的抗原の反応を異なる蛍光色素で検出することで、これまで不明であった全ファージ中の抗体提示率も明らかにした。確立した観察条件からスライドガラス上の抗原特異的なファージの回収を想定していたが、顕微鏡の視野を手作業で探索する方法は現実的ではなく、機械による自動化が望まれた。そこで、最終年度では自作した抗ファージ抗体を応用する抗原特異的なscFv提示ファージのマイクロアレイ型スクリーニングを考案した。 変異scFv遺伝子を導入した大腸菌ライブラリーをコロニー分離し、予め標的抗原(コルチゾール; CS)を固定化したマイクロウェル内で個別に培養し、CS特異的なscFv提示ファージを捕捉する。未反応のファージを洗浄除去し、発光タンパク質で標識した抗ファージscFvを加えて固相のファージを発光検出した。高いシグナルを示したウェルからファージを回収し、CS結合能を精査したところ、親和力(Ka)が向上した変異scFvを複数種得た。本法は従来の選択法に比較して短期間で効率のよいファージライブラリーのスクリーニング法であった。
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Research Products
(7 results)