2018 Fiscal Year Research-status Report
メタボリック症候群の治療抵抗性・脂肪細胞機能に関連する新規細胞因子の探索
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16K08960
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
宮永 史子 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80378760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 純二 京都大学, 医学研究科, 助教 (70378743)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肥満 / iPS細胞 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの脂肪細胞の発生・分化・死を知ることは、メタボリック症候群の病態解明や治療法の確立につながることが考えられてきた。代謝疾患患者から樹立したiPS細胞株を妥当な分化系に適用することで、疾患の病態生理を解明することが可能と考えられている。利用可能なヒトの前駆脂肪細胞―成熟脂肪細胞分化系の確立、肥満症での疾患iPS細胞樹立により、ヒト脂肪細胞の分化・成熟過程での生理活性物質やマーカーを知ることにより、メタボリック症候群において関連のより強い遺伝素因、分子生物指標の検索・疾患解析が可能となる。本研究では、疾患iPS細胞の解析のため、PPARγ遺伝子発現を蛍光によりモニタリング可能なヒトiPS細胞を用いて、未分化状態からPPARα/β陽性の脂肪細胞を約1ヶ月間の培養により得られる系を構築した。さらに、脂肪蓄積に関連する白色脂肪細胞、エネルギー消費に関連する褐色脂肪細胞などへの分化誘導により減量抵抗性の指標となる因子の検索、肥満症症例からの疾患iPS細胞を樹立することによる、脂肪細胞分子マーカーや生理活性物質と肥満症に関連する遺伝子との関連について網羅的な解析を行い検討を行っていく必要がある。 肥満はエネルギー摂取量・消費量、脂肪組織への易蓄積性により規定される。肥満者各人の減量効果には差異があるが、この減量治療効果や治療抵抗性には生活習慣と遺伝素因が関与していると考えられている。遺伝子変異を有する肥満モデル動物や、負荷飼料を用いた実験より遺伝子と環境因子の肥満度に与える影響について長期的な観察を行っている。遺伝子と環境因子のエピジェネティクな変化については、疾患iPS細胞のマウスへの移植など、さらなる検討が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
肥満症症例からのサンプリングおよびiPS細胞樹立への準備が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満症症例からのiPS細胞の樹立と解析を行う予定である。遺伝子変異を有する動物や肥満モデル動物を用いた実験においても、解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
細胞実験と動物実験が計画より遅れているため、次年度は主にこれらの実験の費用にあてる。
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