2016 Fiscal Year Research-status Report
CLL希少地域である日本からの挑戦~確実な鑑別診断法の確立と分子病態の解明~
Project/Area Number |
16K08963
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
瀧澤 淳 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70463990)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 博仁 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30312846)
青木 定夫 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (40242408)
鈴木 律朗 島根大学, 医学部, 准教授 (20280810)
大島 孝一 久留米大学, 医学部, 教授 (50203766)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | CLL / Matutes' score / Typical CLL / Atypical CLL / FISH / MYD88 / IGHV |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における慢性リンパ性白血病(CLL)実態を明らかにするため国内多施設と共同で前方視登録研究(CLLRSG-01:UMIN000004915)を行い登録症例について中央診断を完了した。WHO分類に基づきMatutesスコア3点以上であるCLLは109例であった。FAB分類で定義される形態的Typical CLLは82例(75%)、Atypical CLLは27例(25%)であり、欧米で約10%と報告されるAtypical CLLの頻度より多いことが明らかにされた。Typical CLLとAtypical CLLについて臨床的背景を比較したが有意差は認められなかった。免疫表現型ではAtypical CLLはMatutesスコアがTypical CLLに比して有意に低値であった。FISH解析で13q欠失、17p13欠失、11q22欠失、trisomy 12の頻度を確認したが両群に有意差は認められなかった。MYD88 L265P変異は全体の7%に確認され、IGHV遺伝子変異は全体の81%に確認されたが、やはり両群に有意差は認められなかった。使用されるIGHV遺伝子は1-69が欧米で高頻度(11-18%)であることが知られているが、本邦における今回の検討症例では1.2%であり低頻度であった。 これらの結果は2017年5月12日にニューヨークで開催されるiwCLL2017で発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CLLRSG-01登録例において、OthersとなるCLL以外の類縁疾患と、形態上はCLLであるがMatutesスコア低値で表面形質的にCLLと診断できないB細胞腫瘍が予想以上に多く、診断と解析に時間を要している。
|
Strategy for Future Research Activity |
形態上はCLLであるがMatutesスコア3以下で表面形質的にCLLと診断できないB細胞腫瘍に関しては、スコア4以上のCLLと比較検討を行っている。Othersの解析も病組織学的検討を含めて進んでいる。これらが整理された後に、予定通り全ゲノム解析にとりかかる予定である。
|
Causes of Carryover |
研究成果が十分にまとまらず、予定していた国際学会(ASH)に参加できなかった。遺伝子解析が予定より遅れて、消耗品の使用が予定より少なかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
第一段階の研究成果がまとまったため、国際学会(iwCLL2017)に演題が採用されたため、出席のため旅費として使用する。遺伝子解析も加速的に進んでおり、次年度に消耗品費が予定より多く必要となることが見込まれる。
|
Research Products
(2 results)