2017 Fiscal Year Research-status Report
CLL希少地域である日本からの挑戦~確実な鑑別診断法の確立と分子病態の解明~
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16K08963
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
瀧澤 淳 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70463990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 博仁 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30312846)
青木 定夫 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (40242408)
鈴木 律朗 島根大学, 医学部, 准教授 (20280810)
大島 孝一 久留米大学, 医学部, 教授 (50203766)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CLL / Matutes' score / Typical CLL / Atypical CLL / FISH / IGHV / CLL-like LPD / CLLRSG-01 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における慢性リンパ性白血病(CLL)の実態を明らかにするため国内多施設共同前方視登録研究(CLLRSG-01:UMIN000004915 )を行い登録症例について解析した。WHO分類に基づくCLLは109例であった。自然乾燥標本を用いた形態的Typical CLLは82例(75%)、Atypical CLLは27例(25%)であり、欧米で約10%と報告されるAtypical CLLの頻度より多いことが明らかになった。免疫表現型でAtypi cal CLLはMatutesスコアがTypical CLLに比して有意に低値であった。FISH解析で13q欠失、17p13欠失、11q22欠失、trisomy 12の頻度を確認したが両群に有意差は認められなかった。IGHV遺伝子V領域変異は全体の81%に確認されたが 、やはり両群に有意差は認められなかった。使用されるIGHV遺伝子は1-69が欧米で高頻度(11-18%)であることが知られているが、今回の検討症例では1.2%であり低頻度であった。これらの結果は2017年5月12日にニューヨークで開催されたiwCLL2017で発表した。 CLLRSG-01登録症例を検討したところ、他のリンパ増殖性疾患の診断に合致せず形態的にはCLLの範疇であるが、免疫形質がCLLに典型的でない(Matutes' score 3以下)症例が多数認められることが判明した(CLL-like LPD)。Matutes' score 4または5のCLL 57例(43%)とCLL-like LPD 75例(57%)を比較検討した。CLL-like LPDは形態的atypical CLLが多く、表面形質はCD13発現頻度が高くCD69とZAP-70発現頻度が低かった。これらの結果は2017年10月に開催された第79回日本血液学会学術集会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CLLRSG-01登録例からCLL典型例(Matutes' score 4および5)の確定は容易であったが、Matutes' score 3以下のCLL-like LPD症例は他のリンパ増殖性疾患との鑑別が困難であったため、確定に時間を要した。また、新しい倫理指針に基づく研究計画改訂が遅れ、施設における遺伝子倫理審査承認が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
CLLと類縁疾患の鑑別を容易にするため、新しいスコアシステムを確立する。 また、遺伝子倫理審査委員会の承認を得た後に、CLLとCLL-like LPDの分子遺伝学的相違を明確にするため、全ゲノム解析にとりかかる予定である。
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Research Products
(5 results)