2017 Fiscal Year Research-status Report
フローサイトメトリー解析による赤血球結合IgG定量法の開発
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16K08968
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山城 安啓 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50243671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 教授 (90316513)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 赤血球結合IgG / フローサイトメトリー / クームス試験 / AIHA / IgG1 / IgG3 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果から、フローサイトメーターを用いた総赤血球結合IgG測定値・平均蛍光強度(MFID)とCoombs陽性度との関係性が示され、有用性が示唆された。しかし、赤血球結合IgG数の少ないCoombs陰性AIHAの診断をするためにはこの測定法の感度をあげ、健常人とCoombs陰性AIHA患者のMFID値の差を大きくする必要があった。そこで、様々な蛍光標識IgGを用い、抗原と抗体の最適比を求めるため希釈系列を作り検討を行った。その結果、Invitogenの抗体を現行のBio Radの抗体より2倍程度多く使用することで、約3倍高い感度で測定できることが判明した。若干、バックグラウンドが高くなる傾向があるが、高感度な抗体を使用することでCoombs陰性AIHAと健常人の区別が可能と考える。InvitogenとBio Radの抗体使用による結果に相関関係が認められたことはInvitogen抗体とCoombs陽性度との関係性も示されている。 しかし、健常人とされる対象者も様々で、溶血症状などの表現系はとらないもののMFIDが高い健常者がいた。自治医科大学から送られてきたCooms陰性AIHA検体よりも高値を示す健常人がいた。これは健常人の定義の問題になるであろうが、健常人とCoombs陰性AIHAの症例数を増やすことで、健常除外サンプルやカットオフ値の設定が可能になると考えた。今後発症する可能性も考えられるため、要観察である。 最も興味がもたれる赤血球結合IgGのサブクラス別測定であるが、標識IgG1やIgG3抗体を販売しているメーカーが少ないため難航している。さらに幅広く情報を集めるか、自分で作成し、測定を進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
測定法の感度を上げるために抗体を変更するごとに、測定法自身の見直しや条件変更が生じる。以前のデータとの間に相関性が認められるため、補正式でMFID値を求めることが可能であるが、その値を使用するわけにはいかない。従って、健常検体を含め全てデータの取り直しが必要となる。Coombs陽性検体は症例数が少ないため、データの取り直しに時間が必要となる。このような理由で、進行が遅れている。しかし、感度を3倍程度上げることのできる抗体を見つけることができたため、測定検体数を増やすことにより信頼性の高いデータが得られると思われる。 また、サブクラス測定用の蛍光標識IgG1およびIgG3の販売メーカーが少ないことが挙げられる。IgG1をFITCでIgG3をPEで標識またはその逆で標識し測定をしていたが、PEの結果が一定しないということで、販売メーカーを選定中である。ビオチンーアビジンを利用した方法も考案中である。
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Strategy for Future Research Activity |
総赤血球結合IgG測定は、Bio Radの抗体の3倍程度感度の高いInvitogenの抗体を用いて、福山臨床検査センターおよび自治医科大学から送られてくるCoombs陽性を測定し、関係性を求めていく。また、自治医科大学のRIを使用した赤血球結合IgG数とMFID値との関連性も調べていく。健常検体も測定し、基準値およびカットオフ値の設定を行う。n数を増やすことで信頼性の高いデータを得る。 IgG1とIgG3のサブクラス別測定はビオチンーアビジン法を用いることで感度を高める事が可能であるが、非特異的な反応があるため検討を重ねる。また、使用できる抗体を販売してるメーカーを検索し検討を行う。IgG1とIgG3の結合量により溶血がどのように異なってくるかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度参加を予定していた日本血液学会には、昨年度同様に自費で参加した。また、研究打ち合わせも、時間的な都合がつかず、メールでのやり取りですませたことから、旅費、参加費について未使用額が生じた。本年度の研究では、様々な抗体を購入し比較検討を行いたかった為、研究用試薬等の物品費として使用した。未使用額は平成30年度の学会への旅費、参加費、研究打ち合わせ等に関わる旅費として合わせて使用する。
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Research Products
(1 results)