2018 Fiscal Year Research-status Report
改良型CTCチップを新たに用いた大腸癌CTCのがんマーカー開発
Project/Area Number |
16K08974
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
冨木 裕一 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (40245725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 博光 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (30348982)
大永 崇 富山県産業技術研究開発センター, その他部局等, 副主幹研究員 (10416133)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血中循環腫瘍細胞 / リキッドバイオプシー / 大腸がん / 抗EpCAM抗体 / マイクロ流体チップ / 転移マーカー / 腫瘍マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療における課題は、転移・再発への対応であり、がん患者における転移の有無やその性状の把握は予後評価や治療方法を検討する上で重要な情報となっている.そのためには 大腸癌の検出感度の向上に取り組むことが重要である. われわれは、新規開発の血中循環腫瘍細胞(CTC)捕捉・計測デバイスであるCTCチップの大腸癌に対する臨床応用を目標として研究を 進めている. 本研究では新規規開発されたCTCチップを用いた大腸癌株細胞の捕捉実験結果から,本システムにより血中大腸癌細胞を高い率で捕捉可能であることを確認し た.さらに大腸がん患者におけるCTC捕捉に有効であることを検証するための評価試験を行った.その結果,大腸癌患者採血から高い率でCTCを検出することがで きた.また,本システムによるCTC解析が臨床検体において既存血中腫瘍マーカーよりも有意に高い検出力をもつことを確認している. また検出力向上のためCTCの濃縮など検体の前処理法の検討,捕捉に用いるantiEpCAM以外の抗体の検討を予定している.今後は、症例数も増やし、さらに本研究ではCTCを損傷させず生きた状態で回収する方法の確立を試み.CTCの細胞特性,転移の解明への応用を可能 にすることを目指していくこととする。 以上からわれわれは、大腸癌における高感度なCTC検出システムを構築している. 本研究の結果は,大腸癌においても抗がん剤治療効果判定因子としてCTCが有効であることを示唆しており,臨床応用につながる重要な知見といえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の結果,大腸癌においても新規開発のCTCチップによるCTC検出システムは有効な方法であり,抗がん剤治療の効果判定因子としてCTCを用いることができ ることが明らかになった.とくに大腸癌細胞について既存のCTC捕捉法に対する優位性を示す結果を得たこと,また臨床検体において既存血中腫瘍マーカーより も高い検出力を確認した.大腸癌におけるCTC検出システムの基礎が整い臨床応用に向け,さらに回収率や実用性を向上 させるために、CTCの濃縮などを行って前処理法の検討をしている。以上から,本研究はおおむね順調に進んでいると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
新規開発の血中循環腫瘍細胞(CTC)捕捉・計測デバイスであるCTCチップの大腸癌に対する臨床応用を目標として研究を進めている.今後同一患者の術前,術 後,また化学療法前後での採血検体中のCTC濃度を測定し効果判定マーカーとしての有効性を検討していく.患者ごとの病理組織像,転移の状況,Stage分類,予後などの臨床情報と,採血中CTC数の関連性について評価を行う予定である.また検出力向上のためCTCの濃縮など検体の前処理法の検討,捕捉に用いるantiEpCAM以外の抗体の検討を予定している.今後は、症例数も増やし、さらに本研究ではCTCを損傷させず生きた状態で回収する方法の確立を試み.CTCの細胞特性,転移の解明への応用を可能 にすることを目指していくこととする。
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Causes of Carryover |
研究計画の実施が前後したこと,また,一部提携先の既存機器にて行うことが可能であったことなどから、予定していた一部の機器・試薬類のうち、購入を先送 りしたものがある.またデーター解析について、今年度はアルバイトを雇用することなく、研究代表者・分担者にて進めたため、人件費が発生しなかったことな どから、次年度使用額が生じた。次年度においては,データーが蓄積し解析のために人員を要することなどから,アルバイトの雇用を予定している.また計画遂 行のためには現存の試薬・器具では不足であり,新規に実験資材を購入する必要があるほか,受託分析のための経費が必要である.このほか,本研究で得られた 研究成果を公表するとともに,関連研究における最新情報を取得するため、学会出席を予定していることから,出張旅費が必要となる
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Research Products
(1 results)