2018 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病の合併症進展機構に関わるエピゲノム異常の解析
Project/Area Number |
16K08975
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
本田 浩一 昭和大学, 医学部, 准教授 (70297000)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 靖奈 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (20276611)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 後天的DNA変性 / 抗加齢因子 / 心血管病 / 栄養障害 / 血液透析 / 腎機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に血液透析患者では高頻度にKlothoのDNAプロモーター領域がメチル化(後天的なDNAの変性)されていることを確認してが、平成30年度は同因子の後天的なDNAの変性の解析結果と患者背景や臨床所見との関係を検討した。その結果、同因子のメチル化は心血管病の既往や栄養障害と関係することが明らかとなった。この結果は日本腎臓学会学術集会、欧州腎臓学会、米国腎臓学会で報告した。 さらに平成30年度は他の抗老化因子であるSurt1のDNAプロモーター領域のメチル化を検討し、血液透析患者ではKlotho遺伝子同様にSirt1遺伝子の後天的な変性の頻度が高いことが明らかとなった。 また、血液透析患者での結果が腎機能が正常な患者でも認められるかを検討するために、腎機能正常患者136名においてKlothoやSurt1のDNAプロモーター領域のメチル化の頻度を解析した。その結果、心血管病のある患者で有意にメチル化が発生していることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究では保存期腎不全患者、腎機能正常患者のDNAのメチル化解析、血液透析患者と保存期腎不全患者の抗加齢因子の血清レベルやDNAメチル化に関わる酵素の異常について検討する予定であった。しかしながら、腎機能正常患者のDNAのメチル化解析や保存期腎不全患者の血液検体の採取ならびにDNAの抽出に時間がかかり、当初の研究目標よりも遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、腎機能正常患者のDNAのメチル化解析および保存期腎不全患者の血液検体の採取ならびにDNAの抽出は終了しているため、血液透析患者と保存期腎不全患者の抗加齢因子の血清レベルやDNAメチル化に関わる酵素の異常の測定・解析を行う。その結果から透析患者と保存期腎不全患者でのDNAメチル化の発生の違いを検討する。また、腎機能正常患者においてDNAメチル化が心血管病の発症に関係する可能性が出てきたため、腎機能正常者検体を増やし、腎機能正常者でのDNAメチル化発生機序と心血管病の関係について解析を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
前年度の解析が実施できなかった項目を次年度に繰越すため
|