2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K08976
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
松下 弘道 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (50286481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 潔 東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / RUNX3 / 遺伝子変異 / 抗がん剤耐性 / 予後不良因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
RUNX3の発現は、急性骨髄性白血病(AML)の一部の遺伝子異常と関連し、その予後と相関することが知られてきた。我々は、その機序としてAMLの予後不良因子として知られるFLT3-ITD異常がRUNX3の発現亢進を介してAra-C耐性を惹起することを明らかにしてきた。一方、近年の網羅的な解析からAMLには数多くの新たな遺伝子異常が発見され、さらに予後との関連についても報告されている。本研究では、AMLにおけるRUNX3発現と各遺伝子異常や予後との関連を検証し、予後予測のためのバイオマーカーとしての可能性を探るものである。 本年度はハイスループットシーケンサーによるターゲットリシーケンシングシステムを確立した。計76症例の骨髄細胞からDNAを抽出し、Covaris M220を用いて断片化した。その後77遺伝子(1216 region、約290kbp)のターゲット領域に対してデザインしたSeqCap EZ Choice Library Kit (Roche)によるキャプチャーシステムを用いてライブラリー調製し、MiSeq (Illumina)により150bpペアエンドシーケンスを行った。 リードQCにより得られたリード数は、症例あたり平均170万リード(117万~273万)であった。これらをヒトゲノム (hg38) へマッピングしたところ、症例あたりの平均リードカバレッジは428リード (302~657)、平均ターゲット領域カバー率 (100以上のリードカバレッジが存在する割合) は98.2% (96.7~99.7) であった。 同定された変異についてnon-synonymous変異および insertion/deletion 変異を選んで検証してみると、これまでの報告と同様な傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度については、最も重要な部分であるターゲットシークエンスのシステムを確立することができ、症例を用いて得られた結果も大雑把には妥当なものであった。またやや挿入塩基数の多いFLT3-ITDの解析についても解析の方針を立てることができた。しかし、検討を進めた際に変異が少ない場合、ターゲットシークエンスの解析を追加する必要が出てくる場合があり、時間を要する可能性が否定できない。また、今年度予定していたRUNX3や抗がん剤耐性に関連した遺伝子の発現レベルの解析については、これまでの研究における経験からシステムは確立できるものの、実際の検討はまだ開始できていない。これらについては次年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度到達できなかったRUNX3や抗がん剤耐性に関連した遺伝子の発現レベルの解析を進める。次年度以降の予定のうち、特に各症例における染色体・遺伝子異常や本研究で同定された遺伝子変異がRUNX3の発現レベルとどのような関係にあるか、予後がどのようであるか、について生存曲線解析や多変量解析を行い、RUNX3の発現や遺伝子変異のバイオマーカーとしての臨床的意義について検証する。さらに可能であれば、RUNX3遺伝子発現細胞を用いたAra-C耐性メカニズムの解析についても準備を考えたい。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通り使用した(執行率99%)。1%ほどが残額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分の物品費の一部として使用する予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Survival of acute monocytic leukemia cells is driven by fatty acid oxidation-mediated activation of AMPK in bone marrow adipocytes.2017
Author(s)
Tabe Y, Yamamoto S, Saitoh K, Sekihara K, Monma N, Ikeo K, Mogushi K, Shikami M, Ruvolo VR, Ishizawa J, Hail N, Kazuno S, Igarashi M, Matsushita H, Yamanaka Y, Arai H, Nagaoka I, Miida T, Hayashizaki Y, Konopleva M, Andreeff M.
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Journal Title
Cancer Res
Volume: 77
Pages: 1453-64
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Clinicopathologic analysis of angioimmunoblastic T-cell lymphoma with or without RHOA G17V mutation using formalin-fixed paraffin-embedded sections.2016
Author(s)
Nagao R, Kikuti YY, Carreras J, Kikuchi T, Miyaoka M, Matsushita H, Kojima M, Ando K, Sakata-Yanagimoto M, Chiba S, Nakamura N.
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Journal Title
Am J Surg Pathol
Volume: 40
Pages: 1041-50
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] High event-free survival rate with minimum-dose-anthracycline treatment in childhood acute promyelocytic leukaemia: a nationwide prospective study by the Japanese Paediatric Leukaemia/Lymphoma Study Group.2016
Author(s)
Takahashi H, Watanabe T, Kinoshita A, Yuza Y, Moritake H, Terui K, Iwamoto S, Nakayama H, Shimada A, Kudo K, Taki T, Yabe M, Matsushita H, Yamashita Y, Koike K, Ogawa A, Kosaka Y, Tomizawa D, Taga T, Saito AM, Horibe K, Nakahata T, Miyachi H, Tawa A, Adachi S.
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Journal Title
Br J Haematol
Volume: 174
Pages: 437-43
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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