2018 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenesis of neuropathic pain due to interaction between peripheral and central sensitization
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16K08994
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木口 倫一 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90433341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸岡 史郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60137255)
雑賀 史浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10644099)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / マクロファージ / 末梢感作 / ミクログリア / 2型糖尿病 / ニコチン受容体 / 神経炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの検討では坐骨神経部分結紮モデルマウスを用い、傷害部位に浸潤した炎症性マクロファージが末梢性感作の制御因子であることを示すとともに、末梢マクロファージが脊髄ミクログリアの活性化を含む中枢性感作の形成・維持にも重要な役割を果たすことを明らかにしてきた。最終年度では、主に2型糖尿病性の神経障害性疼痛におけるマクロファージ依存的な病態調節機構を検討した。高脂肪食を与えたマウスでは、体重や血糖値の増加とともに長期的な機械的アロディニアが惹起された。この2型糖尿病モデルマウスの坐骨神経では、炎症性マクロファージのマーカー分子(F4/80、CD11b、CD68など)およびサイトカイン・ケモカイン(IL-1β、TNFα、CCL3など)の発現増加が観察された。サポリン標識抗CD11b抗体を用いてこれらのマクロファージを除去すると、上記炎症性因子の発現増加が抑制され、機械的アロディニアが減弱した。さらに、炎症性マクロファージの抑制薬であるTC-2559(ニコチン性アセチルコリン受容体α4β2サブタイプ特異的リガンド)を全身または坐骨神経周囲に投与すると、これらの病態改善効果が観察された。2型糖尿病での脊髄ミクログリア活性化の程度は坐骨神経部分結紮と比較して弱いものの、TC-2559を含むマクロファージ抑制薬の病態改善効果が同様に認められることから、マクロファージを軸とした末梢性感作が異なる神経障害性疼痛に共通の分子基盤であることが明らかになったと言える。加えて、化学療法誘発性の神経障害性疼痛における検討も現在進行中であり、種々の神経障害性疼痛に有効な治療戦略確立を目指した研究を継続している。
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Research Products
(11 results)