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2017 Fiscal Year Research-status Report

慢性疼痛が皮質拡延性に及ぼす影響-片頭痛の病態解析

Research Project

Project/Area Number 16K08996
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

清水 利彦  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40265799)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鳥海 春樹  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (30528203)
柴田 護  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60286466)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2021-03-31
Keywords片頭痛 / 三叉神経 / CGRP / TRPV1
Outline of Annual Research Achievements

片頭痛は拍動性の痛みを呈する頭痛で、その病態には三叉神経終末から放出されたカルシトニン遺伝子関連ペプチド (calcitonin gene-related peptide; CGRP)のような神経ペプチドが関与している可能性が考えられている。CGRPは頭蓋の動脈に対し拡張作用を有する神経ペプチドであり、capsaicinに感受性を有するtransient receptor potential cation channel, subfamily V, member 1 (TRPV1)による刺激でCGRPの放出が促進される。しかし、片頭痛発作時におけるCGRPの動態については未だに不明な点も多い。このため本研究ではTRPV1刺激による三叉神経節神経細胞におけるCGRPの変化について検討した。
C57BL/6Jマウスをコントロール群(n=3)、capsaicin 1日投与群(n=2)、capsaicin 4日投与群(n=3)の3群に分類した。使用した動物顔面の三叉神経支配領域に逆行性トレーサーを投与した。その後、両側頬部に 10mM capsaicin を30分間貼付した。コントロール群ではDMSO溶液の貼付を行った。刺激後に灌流固定を行い、三叉神経節を摘出し凍結切片を作成した。抗CGRP抗体で染色しトレーサー集積細胞中のCGRP陽性率を定量的に解析した。
Capsaicin 4日投与群でCGRP陽性率は11.6%でコントロール群16.9%と比較しCGRP陽性神経細胞の有意な減少が認められた (P<0.05)。一方、capsaicin 1日投与群とコントロール群およびcapsaicin 1日投与群および 4日投与群で有意な変化を認めなかった。以上より顔面における三叉神経支配領域にTRPV1を介する刺激を加えると三叉神経節においてCGRP含有神経細胞数が減少することを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成28年度はマウスの性周期によるCSD誘発閾値の変化を検討したギムザ染色による膣粘膜細胞のスメア標本の顕微鏡観察によりC57BL/6マウスの性周期を発情前期、発情期、発情後期および発情休止期の4期に判別すると、マウス発情休止期におけるCSD誘発閾値は、雌性マウス発情前期発情期、発情後期および雄性マウスと比較し有意に低値であることを明らかにした。さらに平成30年度に予定していた、これらの性ホルモン受容体に対する拮抗薬がCSD誘発閾値におよぼす影響についても平成28年度中に検討し、エストロゲン受容体拮抗薬であるタモキシフェンを投与するとCSD誘発閾値は上昇したが、プロゲステロン受容体拮抗薬のミフェプリストン投与ではCSD誘発閾値が低下することを明らかにした。
このため平成29年度は顔面に分布する三叉神経線維に侵害刺激を与えることで三叉神経節におけるCGRP含有神経細胞数の変化について詳細な検討をすすめ上記のような結果を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

三叉神経における慢性疼痛が片頭痛の病態におよぼす影響を検討する。片頭痛でみられるズキズキする拍動性の痛みは中枢神経系の機能異常とともに三叉神経節における神経細胞の活動性が上昇することにより生じる脳血管や脳硬膜に分布している三叉神経の感作が関係している可能性が指摘されている。三叉神経の感作が生じる原因については明らかにされていないが、昨年度検索したCGRPも感作に関与する一つの誘因として考えられている。三叉神経の慢性疼痛が三叉神経節におけるCGRP 含有量に影響を与えることを明らかにした。しかしCSDとCGRPの関係については明らかにされていない。そこで本年度はCSDが神経系に及ぼす影響を非CSD誘発群と比較することで、片頭痛とCGRPの関係についての検討を進めていく予定である。

Causes of Carryover

平成29年度は免疫組織化学染色に一次抗体を購入し使用したが、免疫組織化学染色が順調に進行し予定していた量よりも少ない抗体の購入により結果を得ることができたため次年度使用額が生じた。今年度も免疫組織化学的検討を予定しており、この際、神経軸索トレーサーおよび一次抗体が必要となるのでそれらの購入費として使用させていただく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] TRPV1(シンポジウム3「頭痛の病態に関わるホットな分子たち」)2017

    • Author(s)
      清水利彦
    • Organizer
      第45回日本頭痛学会総会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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