2017 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎の痒みにおけるMrgprの役割の解明
Project/Area Number |
16K09000
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤井 正徳 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (40434667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70275147)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 痒み / Mrgpr / アトピー性皮膚炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎の痒みは難治性であり、特効薬も未だ存在しない。Mas関連Gタンパク質受容体(Mrgpr)は非ヒスタミン依存性の痒みを媒介する受容体として最近注目されているが、アトピー性皮膚炎の痒みに関与するかは不明である。本研究の目的は、アトピー性皮膚炎の痒みにおけるMrgprの役割を解明することである。具体的には、1)Mrgpr発現神経を消失させた場合の掻痒行動に及ぼす影響、2)内因性Mrgprリガンドの探索、3)一次知覚神経等を用いたMrgpr応答性解析について検討を行う。当該年度では、1)MrgprA3発現神経を消失させるために必要であるジフテリアトキシン受容体を持つRosa26DTRマウスを研究代表者が所属する実験動物研究施設に導入し、昨年度に導入したMrgprA3-Creマウスとの交配を開始した。また、これらの遺伝子改変マウスの背景系統であるC57BL/6マウスを用いて、アトピー性皮膚炎様の慢性掻痒が評価できることを明らかにした。2)慢性的にアトピー性皮膚炎を発症したマウスの病変皮膚から抽出した成分に痒み活性がある可能性を見出した。この皮膚抽出成分がMrgprを活性化させるか否かを明らかにするため、痒み反応に関係することが知られているMrgpr(MrgprA3やMrgprC11)をHEK細胞に強制発現させた実験系を構築中である。3)MrgprA3アゴニストであるクロロキンの皮内投与による痒み反応が正常マウスに比べて慢性的にドライスキンを発症したマウスにおいて高いことを明らかにした。マウス脊髄後根神経節(DRG)細胞におけるクロロキン誘発Ca2+流入がtacrolimusだけでなくrapamycinによっても抑制されることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MrgprA3神経消失実験に必要なマウスの導入と繁殖に時間がかかり、未だ本検討は出来ていないこと、およびMrgpr強制発現細胞の構築が当初の予定よりも遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)野生型となるC57BL/6マウスにおいて、慢性の痒み症状を再現性よく評価できることは確認できており、MrgprA3-CreマウスとRosa26DTRマウスを交配させたマウスが準備出来次第、MrgprA3発現神経消失実験を行う。2)Mrgpr強制発現細胞確立後に直ちに、病態マウス由来皮膚成分がMrgprを活性化するかの検証を行う。
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Causes of Carryover |
残額が生じたがわずかであり、次年度もほぼ計画通り使用する。
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