2017 Fiscal Year Research-status Report
線維筋痛症患者に対する運動療法の効果の検証:脳内ネットワークの変化を指標として
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16K09002
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Research Institution | Osaka Yukioka College of Health Science |
Principal Investigator |
藤田 信子 大阪行岡医療大学, 医療学部, 准教授 (20709810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙波 恵美子 大阪行岡医療大学, 医療学部, 教授 (00135691)
行岡 正雄 大阪行岡医療大学, 医療学部, 教授 (20513021)
寒 重之 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (20531867)
柴田 政彦 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (50216016)
高井 範子 大阪行岡医療大学, 医療学部, 教授 (60388668)
堀 竜次 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (70643592) [Withdrawn]
池田 耕二 大阪行岡医療大学, 医療学部, 准教授 (70709873)
高橋 紀代 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80296714) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 線維筋痛症 / 運動療法 / MRI / NIRS / 生活活動量 / うつ・睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
線維筋痛症を対象に疼痛軽減や心理状態の改善を目的とした3週間入院の短期集中型運動療法を行い、脳内ネットワークの変化を検証するため、運動開始前と運動終了後に①MRIとNIRSによる脳機能の計測、②運動能力、生活QOL、生活活動量計による日常生活活動量の計測、③心理療法士によるインタービューと鬱、痛み、睡眠の質問紙調査を行った。平成30年3月までに合計8名の患者の3週間入院による運動療法、および評価、計測を終了し、分析を行っている。 昨年度の第22回 日本ペインリハビリテーション学会学術大会では、3演題を報告した。「線維筋痛症4症例に対する3週間入院運動療法プログラムの試み~運動療法介入による脳血流量の変化とQOLの改善について」では運動療法実施後に4名中3名の患者の左側前野前野の血流量が右側よりも上回り、認知機能面も向上していることが机上のテストで確認されたこと、生活面ではQOLが向上する傾向がみられたことを報告した。「線維筋痛症2症例に対する3週間入院運動療法プログラムの試み~心理的側面からの検討~」では異なるタイプ(恐怖回避型と忍耐反応型)に対して行われた運動療法がそれぞれの患者に心理的に良い効果をもたらした結果を示し、理学療法士が患者個々に適切な対応を行うことが重要であることを報告した。「線維筋痛症2症例に対する3週間入院運動療法プログラムの試み~運動が困難な患者に対する介入方法について~」では、入院前に痛みが強く運動に抵抗感のあった線維筋痛症患者について、運動に対する抵抗感を軽減し痛みがある中でも運動を可能にするための指導の工夫について報告された。 第9回日本線維筋痛症学会では「線維筋痛症患者に対する3週間入院プログラムの試み~中等度以上の運動負荷が可能であった症例~」において、中等度以上の運動負荷で疼痛軽減の効果がみられた患者の文献的考察を含めた報告が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、線維筋痛症患者8名の評価の実施を終えているが、MRIの撮像による運動療法の効果を検証するためには合計15名以上の撮像が必要である。 また、H29年度に研究協力をお願いしていた病院の施設建て替え工事により、患者の入院による運動療法が継続できなくなり、新たに別の病院に協力をお願いした経緯があり、患者の臨床データの収集がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は7名の患者の運動療法を予定している。また、これまでの研究成果を報告するために、9月に行われる日本ペインリハビリテーション学会での発表、論文投稿の準備も行っている。
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Causes of Carryover |
研究協力施設である病院の変更が生じたため、研究の進行が遅れている。今後は予定している患者(約8名)への謝金、研究成果の発表のため学会発表、論文作成などに使用する。
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Research Products
(4 results)