2016 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈硬化巣の血栓性リスクを反映する非侵襲的画像診断の開発
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16K09019
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
黒岩 靖淳 宮崎大学, 医学部, 研究員 (20747232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 助教 (90372797)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRI / 動脈硬化性血栓 / プラーク血栓能 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞は、冠動脈の動脈硬化巣(プラーク)が破綻し,血栓が血管内腔を塞ぐことで発症する。このため動脈硬化血管の画像診断では、血栓形成のリスクを評価できる技術開発が重要である。近年、Magnetic Resonance Imaging (MRI)を用いた冠動脈プラークの検討では、T1強調画像においてプラークの高信号所見が心筋梗塞の予測因子として報告されている。しかしながら、冠動脈プラークのMRI画像とプラーク成分を対比することは困難であること、その他の撮像法が一般化されていないため、その高信号プラークが何を反映しているのか明らかではない。また、T1強調画像での高信号プラークの血栓形成能は明確ではない。本研究では、病理解剖により摘出されたホルマリン固定後の心臓をT1強調画像で撮像し、冠動脈の高信号プラークの有無、プラークと心筋の信号強度比を算出した。MR撮像後に組織標本を作成し、T1強調画像の高信号・等信号プラークに対応する血管を選択し、免疫組織化学で各種細胞 (マクロファージ、平滑筋細胞、リンパ球など)、血栓性因子等を染色、各因子の陽性面積を算出し、高信号プラークで変化する成分を比較検討した。T1強調画像における心筋との信号強度比が1.4以上の高信号冠動脈プラークは、組織化学的評価によりマクロファージ、赤血球、フィブリンの局在を認めた。現時点ではT1強調画像の高信号所見にプラーク内出血やフィブリン沈着の関与が示唆された。今後、同様の検討を継続する。 MRIを用いた冠動脈プラークの高信号を検出するT1強調画像は、血栓形成のリスクを評価や新たな治療指標の確立への展開が期待される。なお、剖検症例の検体収集を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
剖検症例の収集とMRI画像および組織化学的評価を実施しそれらの対比評価をした。
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Strategy for Future Research Activity |
剖検症例の検体収集とMRI画像および組織化学的評価を実施しそれらの対比評価を継続する。
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Research Products
(4 results)