2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of quantitative evaluation phantom for MRI diffusion tensor analysis using wood
Project/Area Number |
16K09020
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
妹尾 淳史 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (00299992)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 拡散MRI / MRIファントム / FA値 / 拡散テンソル / ニューロ解析 / 拡散尖度解析 / Kurtosis / 拡散異方性 |
Outline of Annual Research Achievements |
拡散テンソル用の定量評価ファントムの材料として最も有力な10種類の木材種が選定され,ファントムが作成された.作成されたファントムはMRI装置 3機種にて撮像され,同様の解析値が得られる再現性が確認された.解析値は拡散テンソル解析によるFA値,拡散尖度解析によるRadial kurtosis, Axial kurtosis, Mean kurtosisが検証された.また,本検証はポリエチレンファイバーによるファントムも撮像対象とされ,木材ファントムとの比較がなされた.3ヶ月毎,4回にわたる撮像により1年間の解析値の安定性が確認された.これにより木材ファントムは最低でも1年間は拡散テンソル用の定量評価ファントムとして十分な保存性があると検証された.木材の繊維方向とMRI装置の静磁場方向による解析値の依存性が検証された.異方性を持つファントム材料の繊維方向が及ぼす影響について先行研究により報告されており(Cohen Y et al. NMR Biomed. 2002;15(7-8):516-542.),本研究でも同様の影響が確認された.光学顕微鏡解析により,木材の持つ繊維構造が確認された.各木材の平均道管径,平均維管束径が計測され,解析値との関連より異方性の裏付けがされた.同一木材種で異なる採取地,異なる採取時期である6種の木材について拡散テンソル解析,拡散尖度解析がなされた.その結果解析値は木材により異なることが明らかになった.採取地や採取時期が異なることで,木材構造が変化し,道管径や維管束径に差異が生じた結果と推測される. 本研究の成果として,木材がヒトの脳の定量値に近い値を持ち,ファントムとしての作成法や保存法を工夫することで最低でも1年間はファントムとしての性能を維持できることが明らかになった. 今後は開発した拡散テンソル用の定量評価ファントムを経時的に計測し,ファントムとしての経年変化を検証するとともに,本技術を社会に還元するため商用化について検討したい.
|
Research Products
(3 results)