2016 Fiscal Year Research-status Report
CTサブトラクションによる冠動脈評価の有用性に関する検討
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16K09023
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
福島 賢慈 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50408613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 光一郎 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00380387)
百瀬 満 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (40312029)
坂井 修二 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90225756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 冠動脈 / 虚血性心疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究での冠動脈流速解析の土台となる冠動脈CTでのサブトラクション解析の精度向上を継続している。研究での提唱プロトコールに基づき、単純CTからのサブトラクションでの画像解析により狭窄度がより詳細に評価可能となり冠動脈ツリートレースなどが簡便となった。また画質変換・補間機能を用いたサブトラクションでは更に精度が向上し、それによりワークステーション上での狭窄解析が容易となった。しかし心拍上昇や不整脈では撮像条件が好条件を再現性を持って担保できないためサブトラクション解析も困難な状況であった。また患者の息止めなど被検者の要因も少なからずあり、撮像スピードなど撮像機器そのものの限界によるものもあった。 アンモニア血流PETとの対比解析では、高度狭窄では虚血所見が有意であったが、虚血所見・あるいは有意狭窄を認めなくとも動脈硬化が顕著な病変ほど血流予備能が低下しており、血管毎の血流予備能と冠動脈石灰化+プラーク程度に有意な逆相関がみられ、血管内皮機能と動脈硬化の関連が示唆された(相関係数 r=-0.2、p値 0.007. 2017年3月の米国心臓病学会で発表済)。しかし冠動脈狭窄や石灰化を有さない症例でも、血流予備能は幅が見られ動脈硬化に至る前段階での内皮機能障害を見ている可能性がある。 また血流予備能正常で動脈硬化の見られない冠動脈においては支配血管領域の心筋重量との相関や、支配領域と血流PETでの血流量との相関は得られず、健常では心筋重量に関係なく安定した灌流が末梢まで維持されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブトラクションは通常のルチンプロトコールとして進捗。 冠動脈CT撮像の条件は心拍数が低いことであるが、β遮断薬による心拍抑制が困難な症例が見られ、また心拍抑制が成功しても撮像時に心拍数が緊張などにより急上昇することがあり、受診時の安静時心電図が指標になる可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は冠動脈サブトラクションの再現性を高めるための撮像条件や至適心拍数などの検討を開始する。特に高心拍での対処は喫緊の課題であり、撮像機器のマシンスペックの限界もあり様々な検討を要する。 また、通常のテストスキャンから低被ばくでの画像再構成を用いてダイナミック解析を行い。流体解析を行えるかを検討する。
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Causes of Carryover |
研究計画当初必要と考えられた高スペックのPCでなく、個人使用レベルの比較的安価なPCで解析可能と判明したため、また学会や研究会でのプレゼンテーションなどで解析作業画面を提示する必要があったためノートタイプのPCを選択し、研究計画当初より安価に準備が出来たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残余金は更に研究を進めるにあたり、冠動脈CTと血流PETのイメージ融合のための外部グラフィカルユーザーインターフェースの購入に充てる。 更に冠動脈流体モデルの検証において、本年度は冠動脈CT学会など国際的な専門学会での本研究の紹介を目的とした発表を予定している。
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Research Products
(3 results)