2017 Fiscal Year Research-status Report
最適な効果推定のための研究デザインの検討 -メタ疫学研究
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16K09033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 雄右 京都大学, 医学研究科, 助教 (50535573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 臨床疫学 / ランダム化比較試験 / 研究デザイン / 抗うつ剤 / うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに構築した急性期うつ病患者に対する抗うつ剤の効果を評価したプラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)の包括的データベースを用いて、2群比較試験と3群以上比較試験の効果サイズの違いを検討した。三環系抗うつ剤を含む19の抗うつ剤を対象とした。検索対象としては、電子データベース(CENTRAL, CINAHL, EMBASE, LiLACS, MEDLINE, PSYCINFO)に加え、医薬品承認機関、臨床試験登録機関、更に対象薬を販売する製薬会社のホームページも調査した。標準化されたうつ病評価尺度で、8週後にベースラインから50%以上のスコア改善が認められたものを「反応」と定義した。まず、各薬剤における2群比較試験及び3群以上比較試験における反応の対プラセボオッズ比(OR)をメタアナリシスし、算出したオッズ比の比(ROR)を算出した。さらに全ての薬剤におけるRORをメタアナリシスし、2群比較試験と3群以上比較試験の対プラセボ効果サイズを比較した。 2群比較試験66研究、3群以上比較試験139研究が解析対象となった。対象とした抗うつ剤全体において、抗うつ剤の対プラセボオッズ比の比は2群比較試験と3群以上比較試験において有意な差は認めなかった(ROR: 1.09; 95%信頼区間: 0.96-1.24)。既存の報告では2群比較試験の対プラセボ効果サイズは3群以上比較試験よりも大きいという結果だったが、本研究では効果サイズの違いは既存の報告より小さく、有意差もないという結果だった。本研究結果をInternational Clinical Psychopharmacology誌に投稿しアクセプト、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2群比較試験と3群以上比較試験の比較については論文化を終え、雑誌掲載に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
他の研究の条件の違いによる効果サイズの違いについても検討を行う。
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Causes of Carryover |
新たな統計解析ソフトを使用する解析を29年度には行っておらず、次年度使用額が生じた。30年度に解析を実施する予定である。
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Research Products
(9 results)