2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09039
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
牟田 真理子 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 准教授 (40445193)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 智之 東京都立駒込病院(臨床研究室), 乳腺外科, 医長 (60645282)
黒井 克昌 東京都立駒込病院(臨床研究室), 乳腺外科, 副院長 (30231301) [Withdrawn]
本田 弥生 東京都立駒込病院(臨床研究室), 乳腺外科, 医員 (10766497)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 味覚障害 / 化学療法 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はがん化学療法時の副作用の1つである味覚変化の実態と味覚変化が及ぼす健康影響を明らかにして、がん化学療法時の患者の健康状態改善を図り、QOLの向上を目的としている。平成29年度は平成28年度に引き続き、食習慣調査、味覚検査、生化学検査の情報収集を行った。研究に同意していただいた患者数は累積で40名を超えてきたので、情報収集と並行して、調査終了したデータを化学療法レジメン別に分けて味覚変化の傾向や食事摂取の変化について検討を始めた。 1.味覚障害については、味覚検査キット付属のソフトを用いて5味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)の感受性を点数化して比較をした。もともとの味覚感受性に個人差があるのでそれを考慮した化学療法時の味覚変化を表す方法を検討した。 2.食事調査についてはBDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)を用いて1日のおおよそのエネルギー摂取量、栄養素摂取量を算出し、エネルギー、各栄養素の摂取状況の変化を検討した。 3.生化学検査については、味覚障害と食事調査を行った日付とほぼ同じ日に採血が行われているので、その臨床検査結果から栄養状態の指標となる血清アルブミン値の変化を検討し、食事と味覚変化と栄養状態の関連性の検討を始めた。 1人の患者の化学療法前から終了後1年までの変化が各レジメン別に情報収集し検討できることは、がんの化学療法を受けている患者へのきめ細かい対応を可能にし、治療効果や予後の改善へつながると予想される。栄養摂取の変化により血清アルブミン値の変化が見られるのは明らかであるが、それと味覚の感受性の変化との関係を明らかにすることで、治療法別に患者の食事摂取を考え、栄養状態を改善し、QOLが向上することが可能になるであろうと期待している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き情報収集を行い、サンプル数は予定数の2/3の累積40例に達することができたので順調に収集できていると考えている。参加していただいた患者は脱落することなく、ほぼ100%の割合で1年近く続くデータ収集に協力いただいている。データ収集途中の段階であるが、解析できるサンプルを使って化学療法前から化学療法終了後までの味覚の変化と食事摂取状況、栄養状態などの関連について検討を始めた。味覚を点数化して検討しているが、人の感覚は個人差が大きいため解析方法の模索に時間がかかっている。研究分担者と協議をしながらデータの組み合わせ方や、分析方法を検討している。学会発表を考えていたが、発表ができるまでに至っていないのでやや遅れているとの評価をつけた。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.28年度から情報収集のためのサンプル数を集めてきたが、まだ目標数には至らないので引き続きサンプルを増やしていく予定である。 2.収集データを基に化学療法前から終了後までの味覚の経時的変化とそれに関連して栄養状態、嗜好、食物摂取状況等との関係を29年度に予備解析した結果を合わせて多面的な分析を行っていく予定である。 サンプルの収集については軌道にのっているが、解析するには数がまだ少なく、早めに目標数まで集める必要があるので積極的に収集する。30年度が最終年度となるのでデータ分析を急ぎ、学会発表や論文化ができるようにまとめていきたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
研究に要する資材の値引きにより次年度使用額が生じた。 30年度は最終年度なので学会発表や論文化のための予算に編入したいと考えている。
|