2017 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災後の夫婦における生活習慣と疾患の共有度および健康影響の同定
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16K09047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土屋 菜歩 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (80396580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 直樹 東北大学, 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (60422094)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 配偶者 / 生活習慣病 / 予防 / 健康管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「東日本大震災後の夫婦は、生活習慣および疾患を共有しているか」を検証することである。本研究では東北メディカル・メガバンク事業地域住民コホート調査出収集したデータを用いて解析を行う。昨年度は地域住民コホート調査の参加者約50,000名の収集情報が蓄積されたデータベースと、調査内で収集している「家族関係調査票」の情報から5,758組の夫婦を同定した。今年度は、抽出した夫婦ペアに生活習慣や臨床検査情報を付与したデータベースを構築し、生活習慣の共有度についての解析を行うことを目標とした。 抽出した夫婦ペアに調査票からの生活習慣や血液・尿などの臨床検査情報を付与したデータベースが当初の予定通り完成した。2017年4月1日時点で同意撤回がなく調査票に回答があった5,391組の夫婦について生活習慣のリスクとなる生活習慣(喫煙、飲酒)、肥満および提出尿から計算した24時間塩分排泄量と尿中Na/K比(塩分摂取の習慣を反映)について共有度を検討する統計解析を行った。夫婦の年齢は一致度がきわめて高かった。塩分摂取に関する食習慣を夫婦で共有しており、年齢階級により食習慣の一致度が異なっていること、生活習慣の改善は個人単位のみならず夫婦単位で実施することが効果的である可能性が示唆された。先行研究では検討されていない、塩分摂取に関する指標についても夫婦間の一致度を検討することで、新規性のある考察ができた。上記の結果について学会発表で情報発信を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていたデータベースの構築が完了し、統計解析を行った結果について学会発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は夫婦以外のランダムなペアにおける生活習慣共有度との比較検討および夫婦間での疾患共有度についての検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:研究分担者への分配分で使用が発生しなかった。また、旅費が当初の予定よりも安価であったこと、統計解析関連での「その他」からの支出分が少なかったことより次年度使用額が生じた。
使用計画:次年度は論文化の際の英文校正や投稿料等で次年度使用額と併せて消化予定である。人件費は今年度に引き続き使用する。次年度の雇用予定者はすでに決定済みである。
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