2016 Fiscal Year Research-status Report
尿中女性ホルモンおよびイソフラボン濃度とエストロゲン依存性婦人科疾患の関係
Project/Area Number |
16K09049
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
井手野 由季 群馬大学, 未来先端研究機構, 助教 (60616324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 邦彦 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (80282408)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 女性ホルモン / イソフラボン / エクオール / 生活習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、日本ナースヘルス研究(JNHS)における「尿中イソフラボン濃度測定調査」(参加者4,472名)より、「食習慣とエクオール産生状況の関連」および「尿中におけるエストロゲン濃度とイソフラボン濃度の関連」について、断面的な調査を行った。 ・食習慣とエクオール産生状況の関連 エクオール産生者が65%であり、先行研究の報告よりも高い割合であった。ただし、エクオール産生者に関する定まった定義がないため、研究者ごとに恣意的な基準を用いており、単純な比較が困難であるという現状がある。今後、エクオール産生者の基準を探索する予定である。また、エクオール産生状況と大豆食品の摂取頻度との間には関連がみられなかった。喫煙状況などとの関連を指摘した報告もあり、他の生活習慣との関連について検討する必要がある。 ・尿中におけるエストロゲン濃度とイソフラボン濃度の関連 閉経前、閉経後ともに、尿中のエストラジオール濃度とイソフラボン濃度の間に有意な関連はみられなかった。閉経前女性についてはイソフラボン摂取によってエストロゲンのネガティブフィードバックが生じるという報告があるが、JNHSにおける周閉経期の女性ではこのような関連は確認されなかった。女性ホルモン剤の使用状況などとの関連の検討が今後の課題である。さらに、周閉経期女性における大きな健康上の問題となる更年期症状についても、エストロゲン濃度およびイソフラボン濃度との関連を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
JNHS「尿中イソフラボン濃度測定調査」より、エクオールの産生状況および大豆食品の摂取との関連について断面的調査を行った。また、周閉経期の女性については、尿中の女性ホルモン濃度とイソフラボン濃度との関連についても、同様に断面的調査を行った。これらは、当初の計画通りである。また、本研究の主たる課題である「尿中の女性ホルモン濃度およびイソフラボン濃度と乳がん/子宮内膜症/子宮筋腫発生の関係」におけるエンドポイントであるエストロゲン依存性婦人科疾患(乳がん・子宮内膜症・子宮筋腫)ついて、JNHSデータによる疾患既往歴の調査も開始した。 以上より、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
JNHSデータにより、乳がん、子宮内膜症、子宮筋腫の既往歴の調査を継続する。これらの疾患の既往歴を有する対象者における、尿中イソフラボン濃度および尿中女性ホルモン濃度について検討する。また、生活習慣との関連も検討する。さらに、これらの疾患の新規発生についても、同定のための作業を開始する。 加えて、平成28年度の調査において検討の必要性が明らかになったエクオール産生の基準の探索を実施する。また、JNHSデータにおける女性ホルモン剤の使用に関するデータをまとめ、研究課題達成の準備を行う。
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Research Products
(2 results)