2019 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子損傷の防御と修復に関るDNAメチル化に着目した身体活動とがんのコホート研究
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16K09058
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| Research Institution | Saga University |
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Principal Investigator |
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336115)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 恵太郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (50217022)
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50530185)
島ノ江 千里 佐賀大学, 医学部, 特任准教授 (10734064)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 身体活動 / 抗酸化 / 遺伝子損傷 / がん罹患 / メチル化 / 遺伝子多型 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、佐賀市住民12,000人のコーホート研究において加速度計で測定した身体活動とがんの関連について、遺伝子損傷の抗酸化防御と修復に関与する遺伝子のメチル化や遺伝子多型の関与を評価することにより、遺伝子損傷の防御と修復の観点から、がん予防に効果的な強度別の身体活動など、身体活動増加の推奨に有益な情報を明らかにすることである。
遺伝子損傷の防御に関しては抗酸化酵素（ec-SOD）の遺伝子のプロモーター領域（CpG island）の10か所のメチル化の、遺伝子損傷の修復に関してはｈOGG1遺伝子プロモーター部位の9か所メチル化の測定方法を確立し、ベースライン調査と５年後調査で採取したDNAサンプルを測定した。その結果、SOD遺伝子は身体活動とメチル化は負の関連がみられ、身体活動によってメチル化が低く保たれ抗酸化遺伝子が発現する可能性が示唆された。一方、ｈOGG1遺伝子のメチル化は極めて低く保たれており、経年変化や身体活動の関連は、ほどんど認められなかったたため、SODを中心に研究を展開することとした。
SOD遺伝子のメチル化と遺伝子多型と同時に検討することで、身体活動と抗酸化の関連についてより多くの知見が得られると考え、SODの中でも、全身に発現し、かつ、最もよく研究されているMnSOD Val16Ala多型についてジェノタイピングを行った。ミトコンドリアでの活性酸素の運搬能力が低いVal/Val型（低活性型）では、身体活動と尿中の遺伝子損傷マーカーには統計学的に負の関連が認められるのに対し、Ala/Val型、Ala/Ala型では認められなかった。このことは、体質によって身体活動による遺伝子損傷防御効果が異なる可能性を示唆するものと考えられた。
また、がん罹患との関連を検討するために、令和元年度までにがん罹患データベースを完成した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、10年間のがん罹患状況について把握し、コーホート解析を実施することで、がん予防に効果的な強度別の身体活動を明らかにすることが最終目標であり、当初の計画では、令和元年度までに解析を終了し成果を公表する予定であった。しかし、正確ながん罹患の把握のためには、医療機関でのカルテの閲覧による医療情報の確認が必要であり、予定以上に時間を要した。その結果、令和元年度までにがん罹患データベースを完成することができたが、統計解析の実施までに至らなかった。1年間延長することで、解析を完了させる予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
10年間のがん罹患、死亡、転出のデータとベースライン調査のデータを突合しコーホート解析のためのデータベースを整備し、遺伝子損傷防止に関連する遺伝子のメチル化や多型と身体活動によるがん罹患絵の影響についての解析を行う。また、これまでに得られた成果について論文化し報告する。
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| Causes of Carryover |
当初の計画では、最終年度の令和元年度には、研究成果を学会や論文で報告することを予定していた。しかし、がん罹患の把握に時間を要したためがん罹患登録データの完成が令和元年度までかかってしまい、成果報告ができなかった。
令和2年度は、遺伝子損傷防御に関連する遺伝子多型やメチル化の測定結果、身体活動データとがん罹患データを突合して解析し論文化する際に必要な英文校正や投稿料、掲載料などを中心に、研究成果の公表のために使用する計画である。
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Research Products
(2 results)
