2016 Fiscal Year Research-status Report
高リスク大学生に対するうつ病の一次予防介入‐集団認知行動療法の長期効果‐
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16K09059
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林田 雅希 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (70264223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10468324)
西郷 達雄 長崎大学, 保健・医療推進センター, 技術職員 (50622255)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | うつ病 / 予防介入 / 集団認知行動療法 / パーソナリティ / 大学生 / 無作為化比較試験 / 3年後転帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
クロニンジャーらによる気質と性格検査(Temperament and Character Inventory:TCI/TCI-Revised version:TCI-R)の気質尺度の一つである損害回避(HA)はうつ病のリスクとの相関が示されている。また,認知行動療法は,うつ病の治療に有効であることが示され,再発防止効果も認められている。これらから,HAが高いというパーソナリティ特性を有するがまだうつ病を発症していない大学生に対して,集団での認知行動療法(G-CBT)介入の効果を無作為化比較試験により検証を試みたところ,介入1年後においてその効果が示唆された。そこで,さらに介入3年後においてもその効果が認められるのかを検証するため,これまでに研究に参加した133名(平成25~27年度各27名,35名,71名:G-CBT群70名,対照群63名)に,観察期間の延長について電話やメールで本研究への参加(観察期間の延長)を促し,66名(平成25~27年度各13名,13名,40名:G-CBT群42名,対照群24名)から改めて文書による同意を得た。 今年度は,同意を得た学生に,G-CBT介入2年後(平成26年度入学者),3年後(平成25年度入学者)の精神疾患簡易構造化面接調査(M.I.N.I.)を行い,ベック抑うつ質問票 BDI-II,不安尺度MAS,一般健康調査GHQ-28質問票への回答と同時にクロモグラニンA測定用の唾液採取を行った。採取した唾液を-50℃で冷凍保存後,矢内原研究所(静岡県富士宮市)にまとめて検査を依頼し,その結果を得たところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究への参加同意取得者は66名であり,対照群が介入群の約半数と少なっているが,1年後調査ができた80名の約8割に相当するためほぼ期待通りといえる。介入2年後(平成26年度入学者),3年後(平成25年度入学者)の調査を行ったところであるが,1年後調査結果の解析を優先したため,データ入力が年度内に完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度調査のデータは,平成29年度調査のデータとともに平成29年度中に入力を完了する。 本研究への参加同意取得者の大半は,平成27年度入学者であり,平成28年度に2年後調査,平成29年度に3年度調査となる。対照群の参加同意者数が少なく,追跡率を高く維持するため,特に対照群の対象者には研究分担者および研究協力者が電話やメールで連絡を取るなどし,面接調査についても定期試験期間を避けて予約日時を設定し,万が一予定日時に不都合が生じた学生に対しては改めて予約を取り直すなど柔軟な対応をとる。
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Causes of Carryover |
1年後調査結果の解析を優先したため,当該年度の調査データ入力を先送りしたこととそれにより成果の中間発表を行わなかったことで,資料整理と入力の人件費および成果中間発表のための旅費を使用しなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に当該年度の調査データを入力し,成果の中間発表を行うこととし,そのための資料整理と入力の人件費および発表のための旅費(発表学会は検討中)として使用する。
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