2017 Fiscal Year Research-status Report
日本と中国における結核の時間的・空間的な流行動態に関する研究
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16K09061
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鷲見 紋子 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10363699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 結核 / 時系列解析 / 気象 / 感染症サーベイランス |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)本研究課題を推進する過程で得られた、日本の手足口病および中国の水痘に関する結果が、査読付き英文学術誌に掲載された。前者の論文では、手足口病を例にして、感染症が流行する気温の閾値を求める方法を提起した(Sumi A, Toyoda S, Kanou K, et al. Epidemiol Infect. 2017; 145: 2896-2911)。日本の手足口病について調べた結果は、5~32℃であった。後者の論文では、亜熱帯に位置する中国・武漢市の水痘流行パターンを定量的に調べ、得られた結果を日本の結果(発表済)と比較した(Chen B, Sumi A (corresponding author), Wang L, et al. BMC Infect Dis. 2017; 17: 538-546)。 (2)本邦の47都道府県別の結核サーベイランスデータについて得られた結果を査読付き英文学術誌に投稿中である。本結果を国際学会で発表した(Sixth International Conference on Infectious Disease Dynamics. 2017: Sitges, Spain)。 (3)本研究課題を推進する過程で得られた、フィンランドおよびデンマークの水痘に関する結果を執筆し、査読付き英文学術誌に投稿中である。本論文では、亜寒帯に位置するフィンランド・デンマークでの水痘流行パターンを定量的に調べ、得られた結果を中国・武漢市(亜熱帯)および日本(温帯)の結果と比較した。 (4)フィンランドの結核データをヘルシンキ大学附属図書館で入手し、現在データ整理および解析中である。 (5)中国・武漢市の地域別の結核データを現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度(2016年度)基盤研究(C)研究計画調書の中で立てた「平成29年度における研究計画」に照らし合わせて、現在の進捗状況について評価を行うと、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究を引き続き行い、得られた研究を参考にして以下の研究も推進する。 (1)本邦の結核サーベイランスで公表されている、喀痰塗抹陽性患者数の年齢階層別・47都道府県別のデータ解析を行い、結果を論文としてまとめる。 (2)フィンランドの州別データの整理・解析を行う。 (3)中国・武漢市の地域別データの不足分を収集し、整理・解析を行う。
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Causes of Carryover |
謝金の使用が予定よりも少なかったために差額が生じた。 次年度に予定している資料翻訳のための謝金に用いる。
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Research Products
(4 results)