2018 Fiscal Year Research-status Report
健康の社会的格差を考慮した健康づくり施策のあり方に関する実証研究
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16K09073
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
福田 吉治 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60252029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 洋史 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任講師 (00565137)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健康格差 / 健康づくり / 健康の社会的決定要因 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康の社会的格差・健康格差が注目され、その縮小が健康政策・公衆衛生の重要な課題となっている一方、健康づくり施策が健康の社会的格差に与える影響(縮小あるいは拡大)が注目され始めた。そこで、本研究は、(1)国内外の先行研究のレビュー、(2)国内の既存のデータから健康の社会的格差の経年変化と健康づくり施策の影響の検証、(3)地域や職域を対象にした健康づくり施策の健康の社会的格差への影響(前向き研究)により、健康づくり施策の健康の社会的格差への影響を検討する。これによって、どのような健康づくり施策が健康の社会的格差の縮小につながるか(あるいは拡大させるか)を明らかにし、健康の社会的格差を縮小させつつ、集団の健康状態を向上させる健康づくり施策のあり方を提言することができる。 平成30年度は、これまで行った国内外の論文・研究についてのレビューの収集と分析をもとに、総論の発表と関連テキストの執筆(2019年6月出版予定)を行った。既存パネルデータ等の分析として、J-HOPEのデータを用いて、分析を行い、論文発表を行った。また、共済組合の健診および保健指導等のデータによる解析を開始した。 地域や職域を対象にした健康づくり施策の健康の社会的格差への影響(前向き研究)については、対象集団の候補である複数の国民健康保険が行う保健事業の実施状況を把握し、糖尿病腎症等重症化予防やインセンティブ事業などの評価に加えて、A健康保険組合の被保険者を対象にしたがん検診の受診率向上およびB食品製造会社の社員を対象にした社員食堂でのヘルシーメニュー提供の介入研究を行った。結果は現在分析中で、来年度(1年間、研究期間を延長)、さらに対象を広げて行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前向き研究(介入研究)について、調査フィールドの設定と交渉等で時間を要していたが、30年度に実施できた。さらに、対象を加えて研究を広げる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、データの分析を進めるとともに、前向き研究(介入研究)の結果の分析と追加の介入を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していたデータの分析と前向き研究の一部が次年度になったため、その費用を次年度に使用することとなったため。
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