2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K09075
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
薬師寺 史厚 東邦大学, 医学部, 客員教授 (20385909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 実希郎 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80723478)
廣井 直樹 東邦大学, 医学部, 教授 (30366497)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 針刺し損傷 / インスリン / 非自己注射 / 在宅医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療機関での多くの医療行為が患者自身や家族によって在宅で行われている。そのため在宅における医療行為はまさに病院で行われている医療と同等になりつつある。そのため病院での針刺し損傷と同じような問題が在宅医療でも起こっている。これを明らかにするのがこの研究の目的である。そのため在宅医療の中でもその頻度回数ともに多いと考えられるインスリン注射にかかわる針刺し損傷の調査をこの研究では優先した。 調剤薬局に協力を得た調査では、全国3000件程度の調剤薬局での針刺し損傷状況の把握をした。また、全国約5000件の訪問看護ステーションにも針刺し損傷の調査を行った。 調剤薬局で把握できた針刺し損傷については、全国に広がる調剤薬局が参加する団体におけるインターネットを使用しての全国調査を実施した結果であり、地域性などなく全国に針刺し損傷が起きている事実であることが明らかになった。さらにいくつかのチェーン薬局で、聞き取り調査を行い、その発生の事実を確認し、日本防菌防黴学会大会にて発表した。 訪問看護ステーションにおける針刺し損傷調査は、はがきで1次調査を行い、針刺し損傷が調剤薬局と同じように全国で発生していることが現時点で把握できた。 以上の結果を踏まえ個別の針刺し損傷の実態を細かく調査することを開始し、多くの事例報告を踏まえその発生防止の方法を検討するように計画し、個々の調査表などを送付して報告を待ったが十分な結果を得られなかった、そのため針刺し損傷の事実の確認を含めて、個人情報に全くかかわらないように努めた再度のはがきによる針刺し損傷の発生件数に絞った再調査を実施した。これからも明らかな針刺し損傷の存在が再確認された。 今後は、在宅輸血における危険についても調査をおこなうこととしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
訪問看護ステーションへの往復はがきによる第一回調査を実施した。実施の結果として、多くの看護ステーションにあって患者自らの針刺し損傷、患者以外の家族や医療関係者での針刺し損傷についての報告を受けた。 これに引き続き、2次調査として厚生労働省が指示している研究機関(当研究にあっては在野の訪問看護ステーション)と当研究機関での既存情報の提供に関する届出書他を伴った詳細調査を実施したが、回答率が極端に低く、有効な結果を得られなかった。 そのため、第3次調査を実施した。内容は個人情報にかかわらない形で、再度インスリン注射にかかわる針刺し損傷の実際の患者数等について再調査を行い、実際の針刺し損傷が起きている事実を確認することができた。 このため検討の深さの意味で現在の研究はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では針刺し損傷の存在は明らかになりつつあるが、書面での訪問看護ステーションからは十分な情報を得ることができなかった。そのため、実態調査の研究の深さの問題点を痛感し、個別調査にあたり別途看護ステーションと文書ではなく電話等で行うことを計画し実行する予定である。 また、ほかの在宅医療での医療行為の問題点、すなわち病院での問題は在宅医療でも起きているという根本の問題意識に基づき病院外の輸血についても検討することにした。これも当然針刺し損傷の危険ともなう行為であり検討に値すると考えている。 さらにこれらの結果から在宅医療型のエピネットの開発を改めて検討する。
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Causes of Carryover |
平成29年度の使用額が残された原因は、訪問看護ステーションに送付した2次調査の回答率が極端に低かったためその受取人払い郵便等の費用10万が残り、さらにそれに追随するはずの実地調査の旅費50万円、データ入力やシステム構築の約70万円が使用できなかったため残額130万余を生じた。 上記状況のため調査の変更にともない、在宅針刺し調査(在宅輸血についての調査)往復はがき代および印刷費100万円(単価200円程度)を年度初頭に計画した。実施件数は約5000箇所の訪問看護ステーションを予定している。そのデータ処理費および学会参加旅費、雑誌掲載料として30万円を計上予定としている。
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Research Products
(2 results)