2017 Fiscal Year Research-status Report
胃の発癌に係るハイリスク胃炎に対するブラックラズベリーパウダーの効果の検討
Project/Area Number |
16K09077
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
櫻澤 信行 日本医科大学, 医学部, 講師 (90328807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 正夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (70229847)
松田 明久 日本医科大学, 医学部, 講師 (00366741)
山田 真吏奈 日本医科大学, 医学部, 講師 (70508621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 臨床 / 胃癌 / ブラックラズベリーパウダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ピロリ菌感染により生じた胃粘膜の慢性炎症性変化が除菌後さらにブラックラズベリーパウダー(BRB)を摂取することにより改善し、胃の発癌リスクが軽減するかどうかを明らかにすることを目標としている。方法としては、ピロリ菌除去治療が必要な患者を対象に除菌後のBRB摂取による胃の発癌リスクの軽減との関係をランダム化試験で検討する。除菌治療は、保険医療で定められた通常の薬物治療で行い、判定は治療が終了してから約1か月経過した後に便中抗原あるいは呼気試験で行う。BRBの摂取はfreeze-dried BRBパウダーを朝夕2回に分けて4週間摂取する。除菌治療の完了後とBRB摂取終了後に内視鏡検査を施行しBRBの摂取効果および判定を行った。本年度は、平成28年度の実施状況報告書、「今後の研究の推進方策」に明示したとおり、患者数を増やし、BRB摂取の有無と、胃の発癌リスクの軽減に関しての考察を行った。また、本採択課題研究の関係者を収集して、これまでの症例検討および今後の改善点についての話し合いを行った。その結果、患者へのBRBの治療効果、免疫組織化学的評価について、BRBの摂取直後の内視鏡検査では、BRBによる抗炎症効果が観察されたが、投与数ヵ月後の検査では、抗炎症効果が見られなかった。そのことから、現行のプロトコールのBRB摂取量と期間では、BRB摂取による胃の発癌リスクの軽減の効果が弱いとの結論に至った。今後、BRB摂取期間を3ヶ月へ延長することで、BRB摂取による抗炎症効果が得られるかを検討する予定でいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BRB摂取効果が現在の摂取量では少ないことが明らかとなり、摂取量を増やした検討が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年は、BRB摂取期間を3ヶ月へ延長することで、BRB摂取による抗炎症効果が得られるかを検討すとともに、これまでの成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
(理由) 共同研究先からブラックラズベリーパウダー(BRB)の提供があり、BRBを購入する費用として計上していた予算分との違いが生じてしまった。 (使用計画) 概ね当初の研究計画に沿って今後の研究を進めるが、今年度までの結果をふまえて、BRB 摂取量の変更が決まった。本年度は、昨年度の残高をブラックラズベリーパウダー(BRB) の購入費用にあてる。
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