2018 Fiscal Year Research-status Report
疫学手法に基づくひきこもりの全容解明とRCTを用いた社会復帰支援プログラムの評価
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16K09081
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
大場 義貴 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 准教授 (20440604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 教使 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80206937)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ひきこもり / 疫学調査 / 無作為抽出 / 追跡調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年層のひきこもりは26万世帯に存在するとも70万人いるとも言われている。しかし、推計値は定義や調査手法等により変動し実数がつかめていない。また地域住民を対象とした追跡研究及び介入研究は行われていないため、ひきこもりの背景や予後等の全容は解明されていない。そのためひきこもりの定義を見直し、その中に含まれる比較的均質な亜群を取り出し、その一要素と考えられるメンタルヘルスとの関連を明らかにすることが、発生メカニズム解明と対策立案に重要である。 本研究では疫学的手法に基づき、障害の有無、ひきこもり状況(就労、他者交流、日中の主な居場所とそこで過ごした期間)、メンタルヘルスの状況(うつ・社交不安、自殺関連行動)等を把握し、ひきこもりとの関連を解析する。また、1年後のひきこもり状況(就労、他者交流、日中の主な居場所とそこで過ごした期間)とメンタルヘルスの状況(孤独度、自殺関連行動)等の関連を解明する。更に接近が困難な“非精神障害ひきこもり群”の社会復帰促進要因の解明を行ない、ひきこもりの全容解明と“非精神障害ひきこもり群”へ介入プログラムの検証を行い、ひきこもりに対する支援体制のあり方を提示する。 浜松市及び浜松医科大学の協力の下、住基台帳から無作為抽出した若者(19歳から39歳)1万人を対象に郵送による自記式調査を2015年11月から開始し2017年3月末時点で第3次調査までが終了した(1次調査では2,420、2次調査では1,070、3次調査では787の回答を得た)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度は2次調査までの解析及びひきこもりの新定義に関する学会発表(2019年3月日本社会精神医学会)を行っていたため、ランダム化比較試験(RCT)の実施が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
①直接面談が可能な“非精神障害ひきこもり群”の社会復帰促進要因の解明を行なうため、新定義に該当するものに、研究協力の依頼を行う。②再アセスメントのための、質問紙作成(SADS、SDS、AQ)、半構造化面接準備(生活状況の確認、生育歴、ひきこもり段階、専門機関への相談経験の有無、精神障害の有無、発達障害の有無等)の準備を行う。③対面調査員募集・研修を行う。④精神障害群・介入群・非介入群の決定し、介入する家族への説明と同意を得る。⑤全6回の介入を行う。
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Causes of Carryover |
理由は、ランダム化比較試験(RCT)の実施が遅れているため、それに伴う人件費、交通費等が発生しなかったためである。使用計画としては、1次、2次、3次調査のデータ解析補助員の人件費。対面調査員人件費。対面調査時交通費。対面調査会場費。研究協力者謝礼。対面調査時駐車場使用料。質問紙及び半構造化面接使用時有料尺度購入費。プリペイド携帯電話使用量(調査対象者との連絡用)。研究関連図書。切手購入費。文房具等消耗品を予定している。
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Research Products
(1 results)