2020 Fiscal Year Research-status Report
疫学手法に基づくひきこもりの全容解明とRCTを用いた社会復帰支援プログラムの評価
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16K09081
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
大場 義貴 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 准教授 (20440604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 教使 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80206937)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 無業者 / 自殺関連行動 / ひきこもり / ニート / 相談 |
Outline of Annual Research Achievements |
18歳-39歳までの研究協力者1090名の内相談を希望した45名にのべ106回の訪問・電話・メール相談を行い、条件を満たす39件を対象として「相談類型別集計」を行った。男性22名(56%)女性17名(44%)。ニートでは男性の割合が90%【既往歴(中断1名含む)】精神科5名(13%)、整形外科1名(3%)。就職後のストレス等が発病のきっかけとなっている【年収及び小遣いの平均額(学生1名除外)】非正規雇用の平均年収額は、相対的貧困線(平成24年水準)の112万円と同額である。専業主婦・主夫は、148千円、ニートは138千円であり、相対的貧困線よりはるかに低い。【自殺の計画に関して】ニートの50%が、回答している【ひきこもり】正規雇用、非正規雇用の回答者にも、ひきこもり経験者がいるが、いずれも社会との再開段階になってきている。ニートでは10名中7名(70%)がひきこもり段階に該当しうち3名(30%)がひきこもり段階、4名(40%)が社会との再開段階と判断された。【生育歴】ニートでは90%が、全体では49%が、生育歴上の何らかの課題があったと考えられる。【まとめ】精神科以外の慢性疾患・怪我、事故の後遺症から、就業困難な状況になり、そこから不適応、ひきこもりになる流れがある。正規雇用または学生では45%、非正規雇用では55%、ニートでは、50%が該当している。しかし、同様の経験をしても、はね返していく一群(主に正規雇用群)もある。その差には、レジリエンスが影響していることを検討していく必要がある。生育歴等の個人的な背景に加え、社会的背景に関しても、検討が必要であろう。なお集計結果は、浜松市精神保健福祉センターに提出済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、コロナ感染症が拡大し、本務である大学での教育及び学務を遂行していくことに相当な時間を費やしたため、予定通り行うことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、無業と自殺のリスクの解析。小学校・中学校時代の病欠を含む30日以上の欠席と、18歳以降の無業の関連について解析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で研究が遅れており、データ整理及び解析補助者の人件費が必要である。2021年度は無業と自殺のリスクの解析。小学校・中学校時代の病欠を含む30日以上の欠席と、18歳以降の無業の関連について解析を行う。
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Research Products
(1 results)