2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new dementia detection technology using eye tracking
Project/Area Number |
16K09082
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
川口 和紀 藤田医科大学, 保健学研究科, 講師 (00508468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 恵子 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (10440695)
高橋 宏 藤田医科大学, 保健学研究科, 講師 (10750581)
刑部 恵介 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (30290167)
山崎 一徳 藤田医科大学, 医療科学部, 助教 (30733399)
鈴木 めぐみ 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (40387676)
北口 暢哉 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (70508077)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症 / 軽度認知障害 / 簡易テスト / 視点計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症は、その前段階であるMCI(軽度認知障害)を経て治療・ケアが施行されなければ、不可逆に症状は進行していく疾患である。本研究では、ごく初期のMCIを検出することができれば、認知症に対して早期治療を開始でき、結果的に認知症の発症を抑制または遅延に繋がることを目標においた。 研究計画では検査、リハビリ、工学、看護の情報集約により、早期MCIステージを検出する計画であった。ごく初期のMCI検出を目的とした場合には、簡易でかつ短時間で結果の得られるスクリーニング検査となることが重要と考えたため、リハビリ(作業療法)分野では簡易版の問診法を試作したが、認知機能障害検出能の検証には大きな労力と時間を要することから、短期記憶障害検出のためにMMSEで用いられる単語記憶・遅延再生)を代替とすることとした。臨床検査分野では、アルツハイマー病にみられるβアミロイド蛋白の脳組織への沈着メカニズムの一つとして、高齢者にみられる動脈硬化などの血管障害と、それに伴う脳血流の減少を測定するため、頸動脈における血流測定を試みたが、その測定率と装置の運用から、スクリーニング検査には不向きと考えられた。 初期MCIでは短期記憶障害が先行することに着目し、3-7語の記憶・遅延再生を施行し、再生時にアイトラッキング(視点計測装置)を用いて健常高齢者29名(77.5 ± 5.1 歳)を被検者とし、視点散布度(ちらばり)を計測・検討した。 その結果、記憶語数が増えるほど(記憶負荷が増大するほど)視点散布度が大きい傾向にあり、2語記憶・再生時の水平および垂直方向への視点散布度は、3,5語記憶・再生時に比し有意に小さかった。また、2,3語記憶再生時において、水平方向よりも有意に垂直方向への視点散布度が大きかった。③MCIと診断された1例との比較では、2,3,5語記憶再生時の全てにおいて3-8倍程度大きい傾向にあった。
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