2017 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞予防のための水分摂取のリスクベネフィット-至適量提言のためのコホート研究
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16K09083
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
西川 智文 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (20647945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 智教 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00324567)
上羽 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00314203)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
北条 雅人 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (60372588)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳卒中予防 / 水分摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中の発症・再発予防のための血圧管理、減塩、禁煙等の指導は科学的なエビデンスに基づいて実施されている。一方、日常診療や啓発活動で述べられることの多い「水分摂取」については、脱水が脳梗塞発症・再発リスクとなることは示唆されているものの、積極的な水分摂取や就寝前の水分摂取が脳卒中発症率・再発率を低減させるという明確なエビデンスは示されていない。本研究では、①申請者らが横断研究を実施した脳梗塞患者約300 人に対して1年毎の追跡調査を行い、水分摂取パターン(摂取量及び時間帯)と脳梗塞再発、および水分摂取過多による有害事象との関係を明らかにする、②健常者のコホートである神戸研究と比較を行い、脳梗塞初発・再発予防に適切なそれぞれの水分量を明らかにする、ことを目的としている。平成29年度末の時点で、下記1)から5)を行った。
1)平成25年度から27年度にかけて行われたベースライン調査参加者に対して、その後の水分摂取状況、生活習慣の変化、日常生活動作の低下、有害事象の有無に関する調査を郵送にて行った。2)調査票から(あるいはそれで得られなかった場合には電話調査によって)得られた情報の「電子管理データベース」の構築を行った。3) 健常者の水分摂取量と血漿浸透圧の関係を調べるために血液データの追加調査を行った。4)神戸トライアルにおける健常者の水分摂取状況に関するデータを整理して論文作成を行った。5)本調査による脳梗塞既往者と神戸トライアルにおける健常者のアルコール摂取量に関して52回日本アルコール・アディクション医学会学術総会にて報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度の水分摂取量を含む調査票の送付作業は滞りなく終了した。返送された調査票のデータのデータベース入力作業を開始した。 郵送費の値上がりが全体の予算に影響した。 データ整理などの補助員が補充できずデータ入力に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の予定は次のとおりである。1)引き続き年度毎の調査票送付によるデータ蓄積を進めて行く。2)まとまったものから順次論文投稿を行う。3)健常者の水分摂取量と血漿浸透圧の関係を調べるために血液データの追加調査を引き続き行う。4)学会報告を続けていく(予定、日本循環器病予防学会)。5)英文雑誌に投稿論文がアクセプトされるよう推敲を重ねる。
これらを推進していくためには以下の方策が必要と考える。1)高齢者が多いため、脱落者を極力減らすよう、調査票をこれ以上煩雑にしない。2)協力施設、特に外来担当看護師など関係者の協力を引き続きお願いしていく。3)データ入力に遅滞が生じないよう継続的に研究補助員の確保をしていく。4)収集できたデータを可能な限り対外的に発表しつつ、英語論文執筆を順次行う。
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Causes of Carryover |
理由:滋賀成人病センター(現滋賀県立総合病院)調査票のデータ入力要員の確保が困難であったため、滋賀医科大学および滋賀県立総合病院にお願いしている部分の進捗状況が不十分であった。論文acceptに纏わる諸費用が発生しなかった。人件費高騰によるものか研究補助員の補充に支障を来した。
計画:滋賀医大との連絡を密にとり、遅れを取り戻すように物品や人員の適正な使用をより一層進める。研究補助員を何とか確保する(謝金を上げるか、現在求めている看護師や管理栄養士などの医療関係の専門職以外にも求人を広げる等)。論文が順次acceptされるよう引き続き論文作成を行っていく。
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Research Products
(2 results)